セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク の感想

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　あまり期待せずに手に取ったのだが、これは大変おもしろかった。貴重な社会風俗資料でもある。
　元AV女優がアダルト作品の制作現場の内幕を暴露した一冊です。実際、ええい、これでもか！　というくらいに身も蓋もないシモネタの逸話の連続なわけですが、一抹のユーモアとペーソスがただよう読後感は捨てがたい。
　まあ、画力はアマチュアに毛のはえた程度かもしれないけれど（生意気でごめんなさい）、とにかく素材の特異なおもしろさと人間観察の冷めた切れ味が抜群なので一気に読ませますね。ってことは、やはり文章ではなく、マンガのかたちで表現したことが正しい選択だったんだろうな、たぶん。
　普通は自分がよく知っていても、ここまであけすけには書かない（書けない）ものだとおもいますが、エロ好きの男性はこれを読んでも引いてしまわないものなのかしら。

「恋のから騒ぎ」１１期性を経て、ＡＶ女優に転身し、今は、檀蜜・みひろといった人気女優でＴＶ化もされている「アラサーちゃん」シリーズを始めとする漫画家として売れっ子の峰なゆかさんによるＡＶ女優時代を題材としたコミカル漫画です。いやあ、これが漫画として面白い上に、撮影現場、サイン会、撮影会、監督、男優、引退後といったことが、「ここまで言っていいんかい？」というところまで描かれていますので、映像の向う側が知りたいＡＶファンには必携の１冊になっています。

でも、大笑いした後に思うのは、華やかに見えるＡＶ女優も、収入的にも、肉体的にも、精神的にも大変なんだなあということ。「職業としてのＡＶ女優」という本のレビューにも書きましたが、成功するのはほんの一握りという厳しい現実。やっぱ、どこの世界も、働くということは大変ですね。

その点、ＡＶ女優出身ということを逆手にとって、商売にまでしてしまう作者は、やっぱ、成功したほんの一握りに入る才能ある人なんだなあと思います。

ちなみに、今月の２９日が誕生日だそうですから、プレゼントすると喜んでもらえるんじゃないですか。あ、でも、プレゼントについても、コミカル＆シニカルに描いていますので、プレゼントのセレクトには要注意ですけど。

ＡＶ業界のことが文章で読んでみたい方には、「職業としてのＡＶ女優」もお奨めです。