ジャパン・イズ・バック――安倍政権にみる近代日本「立場主義」の矛盾 の感想

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タイトルジャパン・イズ・バック――安倍政権にみる近代日本「立場主義」の矛盾
発売日販売日未定
製作者安冨歩
販売元明石書店
JANコード9784750339696
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

安冨さんは2019年夏の参院選に出馬して、ツイッターのフォロワー数が、2万人から4万人に倍増しました(2019.7.26)。

私が安冨さんを知ったのは2012年の『原発危機と東大話法』。Wikipediaに「東大話法」の項目がぜひとも必要だと思い、立てたらやはり、それなりにもめました。まさに東大話法の巣窟の様相を呈しました。項目のノートに議論が残っているので、興味のあるかたは読んでください。

この本は2014年2月の出版。「イッポンをトレモロす」とか「ジャパン・イズ・バック(日本は後退する)」とか、変なことばかり言っている安倍首相を笑う本だと思ったので、読みませんでした。安倍さんが■■なのはわかりきっていたので。

2019.6.27、安冨さんが「れいわ新選組」から出馬という情報をツイッターで知って、しばらく睡眠不足の日々が続きました。私は安冨さんと片岡祐介さんが産んだ「純セレブスピーカー」というものに一年前からはまっていて、ふたりのYouTube動画を逐一チェックしていました。それが政治と哲学の話に自然に移行しました。内容的にもついていくのに必死でした。しかしそれは楽しくもありました。

この本はおそらく公共図書館で容易に借りられるでしょうし、私も借りて、いま半分ほど読みました。選挙のとき安冨さんが語っていたことが、ここで文字として読めるのでありがたいです。私はある時期○○図書館といわれたくらい、人に本を貸すのが好きでしたが、この本もレンタル用に買うことにしました。

この本は単なる安倍晋三批判ではありません。
著者の鋭い指摘は、読者ひとり一人に向けられていきます。

私は、オリンピックを東京誘致するために「(汚染水の)状況はコントロールされている」と、
誰がどう見ても明らかなウソをつく安倍晋三氏には一刻も早く退陣して欲しいと願っています。
実にけしからんししょうもない首相だと思います。

なので、一見、安倍批判の本のように見える本書を読んだら、
すっきり、溜飲が下がると期待しましたら、この本、そんな単純な本ではありませんで、、

著者の安冨氏は、安倍晋三氏やこの国が抱える「病い」の原因やその背景を探り、ひも解いていきます。
読み進めていくうちに、その「病い」が、決して安倍晋三氏だけのものじゃなく、
この国全体を覆うもので、ひいては、他ならぬ私の抱える「病い」でもあるんだと気づかされました。

特に、ハッとさせられたのが、2013年2月28日に安倍晋三首相が行った施政方針演説についての言及です。
ちょっと引用しますと、
ーーー「強い日本」。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。「一身独立して一国独立する」私たち自身が、誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で、自らの運命を切り拓こうという意思を持たない限り、私たちの未来は開けません。ーー(引用終わり)

この安倍晋三首相の演説の一節を読んだ私は、反射的に、一瞬、
「ワタシ、ちゃんとしなきゃ、がんばらなきゃ」という気持ちになったんです。

一瞬ではありますが、その時の気持ちをあえて言葉にすると、
「自分の持ち分でやれることやる。そうしたら未来は拓ける。がんばらねきゃ」、です。
怖いことです。「私の持ち分」、って、いったい、、、。
これって、まさに「立場主義的発想」です。
安冨氏が厳しく糾弾し、この国の病いの根本原因になっている「立場主義的思想」が、
アンチ安倍を自認する私自身のなかにも染み込んでしまっているのです。

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