プログラミング20言語習得法 (ブルーバックス) の感想

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副題には「初心者のための実践独習ガイド」、帯には「各言語の基本と特色を見比べながら自分に合った学習法が見つかる」といった惹句が並んでいます。しかし残念ながら、この本ではプログラミングに入門する目的を達するのは極めて困難でしょう。それぞれの言語を「実践」するところまで辿りつけません。

本書で紹介されている言語にはそれぞれ強力な機能や魅力的な特徴、実践的な活用領域があります。しかし、本書ではほとんど触れられていません。本書の内容を会得した次に何を学べば良いのかについても言及がありません。
たとえば「C」とCを拡張した言語である「C++」が連続した章で紹介されてますが、なぜ拡張する前と後の言語を両方紹介するのか(使いわける必要があるのか)について、一切の説明がありません。(予備知識がなければ、拡張前の言語を勉強する必要はないように感じます)
さらにはObjective-Cの紹介もされていますが、本書で紹介される開発環境と現実にObjective-Cが利用される状況(Mac/iOSアプリ開発)があまりに掛け離れています。

著者は「習得法」と称して、複数の言語で同じことをするプログラムを紹介しています。それは良いのですが、本書で紹介されているコードには、その言語を特徴付ける要素はほとんど省かれています。

本書はWindows向けに書かれているにも関わらず、初心者が犯しがちなミス(たとえば、全角スペースでインデントしてしまう)などについても一切警告していません。文字コード(エンコーディング)についての記述も曖昧模糊としており、事前知識のない読者が適切な判断をすることはできないでしょう。

Pythonの文法にはオフサイドルール http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB が存在することにもまったく触れていないので、読者はサンプルコードを動作させることも難しい可能性があります。