これまでのあらすじ

『人外の森へようこそ』
1章.人外の森へようこそ読者506 評価0 分岐1
2章.人外の森読者712 評価2 分岐10
3章.実らぬ恋の伝説読者304 評価0 分岐1
4章.ルークの記憶読者222 評価0 分岐1
5章.水の中はやっぱり落ち着く♪読者212 評価0 分岐1
6章.ルークが手作り読者216 評価0 分岐1
7章.伝説を(偶然)創った少女読者289 評価0 分岐1
8章.ふたりの泳ぎの才能読者244 評価0 分岐1
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東雲優里
17.08.01
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ルーク:ボクは龍。空を統べるのに特化した火龍に比べて、ボクは環境に合わせて柔軟に対応できる体質なのさ。

セレナ:『そうなの?』

ルーク:そうなの♪だから、一緒にどう?

ルークがセレナに向かって右手を差し出した。

セレナ:(コクン)

セレナも小さく頷いてその手を取った。



そして、2人でアイコンタクトを交わすと、ルークはその手をくるりと回し、セレナを舞台へと送り出す。
セレナはそれを受けてざぼんと一気に水中へ。
湖を大きく旋回しながら時々水面に顔を出しては可愛らしい観客に笑顔を見せ、丁度1周回ったところでルークもそれに加わった。

優雅に並走する2人だが、やはり「泳ぐ事に特化した種族」と「種族の中でも泳ぎが得意な方」とではなかなか………………と思うルークだった。

ルークと同じスピードかそれ以上で泳ぎながら時折ジャンプして見せたり、水の中でクルンと1回転して見せたり…………。



まぁ、これはこれで楽しいものがあるが。

だって、本物の人魚と一緒に遊泳出来る経験なんて滅多にないし。

それにセレナも凄く活き活きしてる。

……ココに来たばかりの頃を考えるとすごく変わったと思う。


ルーク:セレナ!


ルークの声に湖の中心付近で螺旋を描きながら泳いでいたセレナがこちらにくる。

セレナ:?←(小首を傾げる)

ルーク:ここの生活は楽しいかい?

不意にそう聞いてみたくなったのだ。
答えは容易に予想できる。
あんなに笑顔をこれでもかと言うほど振り撒いて、あれだけ楽しそうな顔を見たら誰だって分かる。

でも、彼女本人からそれを聞きたかった。

セレナ:『うん♪本当に楽しい♪』『ありがとう♪ルーク♪』

予想していたとは言え、やはり本人から聞くとこちらも照れてしまうというものだ。

ルークはセレナの満面に浮かべられた笑顔のせいで、顔が火照るのを感じながら視線を逸らすはめになった。







それからしばらくの間、湖では龍とローレライによる遊泳が続いた。

そして、日が西に傾きかけて空の東側が暗くなり始めた頃。

ルークはザバッと飛沫を上げながら体を水面から持ち上げた。
そして、湖の畔の岩の上に腰を下ろす。

ルーク:ふぅ。あ~泳いだ♪ボクも久しぶりに泳いだから楽しかったよ。

セレナ:『私も楽しかった♪』

続けてセレナが葉に文字を綴る。

セレナ:『久しぶりに誰かと一緒に泳いだから♪』

ルーク:そっか……。

ここに来る前は…………。

セレナ:…………?←(ルークの顔を覗き込む)

ルーク:ん?あぁ、大丈夫だよ。

心配そうにのぞき込んでくるセレナに笑顔を返しながら空を見上げる。

ルーク:…………ボクも誰かと一緒にこういうことをするのが久し振りだから、さ。

そういった後に、ふぅっと息をついた。

ルーク:それじゃあ、今日は戻るよ。また明日。

セレナ:『うん♪待ってるからね♪』

ルーク:分かった。









ルークが帰った湖は静かだった。

それとは対象的に私の心は興奮していた。


セレナ:(凄い♪すごく楽しかったな~♪こんな気持ちになるのもいったい何十年ぶりかな~♪)

私は興奮する心を隠せないまま、再び水の中へ潜る。
太陽の光が反射して煌めいていた水面は、今や降り注ぐ月の光を静かに揺らしながら心地よい風に晒されていた。

陽光とはまた違った幻想を映し出す月光を水中から目一杯感じながら、水面に仰向けで浮かんだ。

目の前は無数の星の……それこそ「海」と表現するに相応しい光景が広がっている。

セレナ:(星、キレイ…………。)

そんな事を考えながら私はゆっくりと目を閉じた。


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筆者:ハルキ  読者:67  評価:0  分岐:1

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このストーリーの評価

東雲優里 #0 - 17/08/01
イメージしやすいように描いてみたんで参考にしてくだしぃ(><)

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