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閉じた恋の瞳〜3rd eye.

にゃー(nya.) #1 - 16.05.15 13:16
サトリ妖怪として生を受けた少女の物語。



(続きの作成は、ご自由にどうぞ。どのように話が展開していくのか見てみたいwktk)

見る時はコメントの表示順をはじめからにしてください。

レスポンス


にゃー(nya.) #32 - 16.08.12 11:57
~さとり side.~



こいしはどうしてしまったのだろう。

あの子の心がわからない。

何がしたい?どうして欲しい?何かいる?



尋ねたい事はたくさんある。なのに、それを訊くのが怖い。

どうして………?前はそんなことなかったのに。



私の心の声は誰にも届かなかった。




にゃー(nya.) #18 - 16.05.31 19:58
〜こいし side.〜



それ以来、私はひとりで出かけることはなくなった。ほとんど部屋に閉じ籠り、たまにおねえちゃんと顔を合わせる程度になってしまった。

おねえちゃんはどうしてそんなに強くいられるんだろう。

私が弱いだけ?

おねえちゃんはよくひとりで買い物に出かけたりそこら辺に棄てられた動物なんかを拾ってきたりする。

なぜかおねえちゃんが連れてきた子たちはおねえちゃんに忠実で、私にもそれなりに仲良くしてくれる。



この差は、何_____?

その時から、憧れだったおねえちゃんと私との心の壁は高くなっていった。

劣等感_____というものなのかな。




にゃー(nya.) #8 - 16.05.21 01:07
信じることはいけないことなのか。

本音は見てはいけないのか。



わからない。

私にはわからない。人の心も、真実も嘘も。何もかも_____。





この時私は、こいしになんと言ってやるべきだったんだろう?



にゃー(nya.) #1 - 16.05.18 21:14
〜さとり side.〜



その日、こいしは傷だらけになって帰ってきた。

知らない間にふらっといなくなったと思ったらこんなに怪我をして帰ってきて、気が気じゃなかった。

こいしに問い詰めたら、





「私、誰にも愛されないの?誰のことも好きになっちゃいけないの?」





泣きそうな顔でそう問われた。


話によると、人間以外の生き物となら心が通じ合えると考えてひとりで散歩に出掛けたところ、犬や猫にまで襲われたのだと。

わかってはいたけれど、信じられなかった。

まさか、私の妹が_____。


にゃー(nya.) #1 - 16.05.17 16:40
人間はダメでも、動物なら大丈夫かなって思ったんだ。



お散歩がしてみたくなって、また蔑まれるのを覚悟で、お姉ちゃんに内緒でお外に出た。

私達は普段地面の下、地底で暮らしている。地底は空気が冷たくて少し肌寒い。

けれど地上は太陽の光が眩しくて、そよ風が心地よくて、とても暖かい。



自然だけが、私を受け入れてくれている気がした。

きっと心が通じあえると思って、私は森に仲良くなれそうな動物を探しに行ったんだ。



にゃー(nya.) #1 - 16.05.16 23:00
〜こいし side.〜



第三の眼を持つ者同士で心を読むことは難しい。

お互いこの瞳を嫌っているからやろうとも思わなかったけど。

言葉に出せばどんなことでも伝わるし、なにせ姉妹なんだから多少のことなら顔を見ただけでもわかってしまう。



人間には、それは通じないのかな。



今日も嘲りの声と飛び交う石はいつも通り。

はやくお姉ちゃんみたいに強くなれるといいな。


にゃー(nya.) #1 - 16.05.16 20:44
こいしの笑顔の為に、私はこいしの身代わりになる。

ひどい言葉は代わりに受け、投げつけられる石は代わりに当たり、なるべくこいしを傷付けないように。

私は、あなたのお姉ちゃんにちゃんとなれてるのかな。



_____あなただけの、お姉ちゃんに。




にゃー(nya.) #1 - 16.05.16 20:41
〜さとり side.〜



こいしは私より小さいから。私の妹だから。私が守らなきゃダメなんだ。

どんなことを言われても、どんな声が聞こえても、それに耐えなきゃいけない。そして、それをこいしに悟られちゃいけない。



こいしは、いつも「もっとみんなに愛される妖怪になりたかった」と言う。

その気持ちは私も同じだ。けれどこの身体で生を受けたからには、その運命は受け入れなければならない。

だからこいしにはいつも





「妖怪そのものが人間にとって悪いモノだから、私達だけじゃないんだよ。大丈夫だよ」





と言う。ていうか私にはそう言ってやることしかできない。

こいしの笑顔だけが私の生き甲斐だから。

この笑顔を失わないように。

私はこの子を守らなきゃいけないんだ。


にゃー(nya.) #1 - 16.05.16 16:43
私がいじめられるとき、決まってお姉ちゃんは私を助けてくれた。

何かを言われれば慰めて、石を投げられれば身代わりとなってそれを受け止めた。

そんなお姉ちゃんが、私にとっての憧れだった。強くて、優しくて、かっこいい。



_____私だけのお姉ちゃん。




にゃー(nya.) #1 - 16.05.15 13:29
〜こいし side.〜



私とお姉ちゃんは、ヒトの心が読める妖怪。読もうとしなくても聞こえてしまう体質。

もっとみんなに愛される妖怪だったらいいのにな、なんて今更言えることじゃないけど、どうしてもそう思ってしまう。



だって、みんなの私を見る目は_____。





「おい、みろよ。サトリ妖怪だ」

「道の真ん中堂々と歩いてんじゃねーよ」

「妖怪様は大人しく地底でおねんねしてたらー?」





みんなの私を嘲笑う声と投げつけられる石。

これが私達の日常。


にゃー(nya.) #1 - 16.05.15 13:22
〜さとり side.〜



「ねぇ、お姉ちゃん」

「なぁに、こいし?」

「私もいつかお姉ちゃんみたいに、強くなれるかな?」

「えぇ、そうね。あなたならきっとなれるわ。だって私のたった一人の妹だもの」





そう、たった一人の_____。





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