騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood (星海社文庫) の感想

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参照データ

タイトル騎士は恋情の血を流す The Cavalier Bleeds For The Blood (星海社文庫)
発売日販売日未定
製作者上遠野 浩平
販売元講談社
JANコード9784061389748
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

まず、『しずるさんシリーズ』は
ミステリーである。

しかし、この作品はサスペンスである。
何故なら、犯人も仕掛けも最初から明かされているからである。

この作品の主人公 葛城貴士。
彼は不幸な人間である。
まず、不可解な能力を持って生まれてきてしまった。しかも、すぐに扱い方を修得してしまった。
彼にとっては、もはや他人は『ストロー』
でしかなかった。

しかし、彼は必死に能力と闘う。
ストローを人間として、見ようと試みる。
だが、恐らく最愛の実の両親ですら、
彼を受け入れようとしない。
『何度も』能力で恐怖や混乱を抑えても
無駄だった。
そして、彼は能力に敗北する。
両親を『邪魔』なモノとして片付けてしまう。
そして、その苦い経験を『誤魔化し』続ける事になってしまう。

ところがそんな彼に天は使者を送る。
ヒロインの七ノ輪ほのか である。

ほのか は弱い。生まれたての仔鹿の様に。
ゆえに葛城は油断することができ、余裕が出来た。人生で初めて安らぎを得たのではないか。

それから、彼はほのか に執着する様になる。
執着する理由を『誤魔化し』ながら。
両親の様な裏切りを受けない為には
彼は自らに嘘を付き続けなければならなくなる。
葛城はもう、人を頼れないのだから。
次に裏切られたら、立ち直れないのだから。

彼はほのか を囮にするのだと自分を『誤魔化す』。最強の能力を持ちながらも、世界に干渉する気がない彼には『死神』すら寄ってこないのに自ら敵を誘き寄せる。
だが、彼が彼自身を『誤魔化し』続けているので、この不可解な行動に彼は気付けない。

彼女が幾ら、手を差し伸べても、その手を取れない。その手を取れば『誤魔化』せなくなるからだ。

彼は しずるさんが手を下さなくとも、
いずれは破綻していただろう。
いや、破綻は最初からしていたのだけれど。

しずるさん入門というより、ブギーポップシリーズでブギーポップのかわりにしずるさんが事件を解決するような話。
ブギーポップに出てくる超能力者MPLSと合成人間の戦いに焦点が当てられた話で、ミステリー要素も百合要素もない。
しずるさんのような話を期待して読むと合わないと思う。ブギーポップシリーズが好きな人には合う。

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