日本を翻弄した中国人 中国に騙された日本人 の感想

日本は常に大陸に隣接しているせいで、
中国との間合いに翻弄されてきた。
上手に距離を置いているときはいいんだけれど、
どうしても教養ある人は、
中国の昔の書物をよく読んでいるから、
中国への尊敬を抱いてしまう。

そして、現実の中国人、
現実の中国とのギャップがあることを憂い、
それをを埋めるためにも、
日本が応援しさえすれば過去の栄光ある？
知性あふれる中国人にさせることができると錯覚してしまうらしい。

教養があればあるほどそうなのだ。

私も中学校の頃歴史を学んだ時間の中で、
孫文や蒋介石は日本に居て勉強したり、
応援してもらったりした・・・というだけで、
いい人だと思っていた。

ところが、このお人よしの日本人たちが、
どんなふうに裏切られたか、この本にきっちり書いてある。

秦の時代の兵馬俑などを見ていたら、
中国の規模の大きさに驚嘆する。
孔子や孟子・・・・三国志・・・・・
中国への劣等感をもっている日本人も多いのだろう。

だけど、毛沢東の文化大革命の失敗を
同時代に生きて見てきた私たちは、
もうそろそろこの渡辺さんの本などを読んで、
冷静に中国との対し方を反省しなければならない。

頭を冷やして、
お人よしの日本人を脱却し、
かつて中国に関わってきた人たちのことを冷静に分析し、
学習したことを今後に生かす日本人にならなければならない
・・・・・・と思う。

それにしても大江健三郎・・・・みっともない。

学問の中の中国と、現実世界の中国人の暮らしは当然違う。
しかしなぜか日本人は漢籍の世界や論語が中国そのものなのだと思い込み、
西洋の旅行者が記した清朝の庶民の暮らし、不潔で教育は行き届かず、賭博に溺れる
そんな真実の中国の姿には知らない振りをしたか、徹底的に無視してきた。
大好きなアイドルに盲目にあこがれる少女のような初々しさだ。

そんな可憐でお人好しな日本人を中国人は言いように利用し、操ってきた。
孫文や蒋介石に毛沢東、最近では議員140人を含む、総勢600人で訪中し、
胡錦濤との記念撮影に大喜びしていた小沢一郎なども、いいカモであったろう。

いまだに我が国の親中派は中国への幻想を捨てきれず、中共の言うなりに
尖閣を棚上げしよう、などと口走っている。

どれだけ彼らにいたぶられれば日本人は反省するのでしょうかね。
尖閣に、沖縄でも占領されてしまえば目が覚めるだろうか。
そんなことにならないためにも、部類の中国好きこそが本書を読んで少しはお勉強をされたらいい。
著者は本書を「中国批判の本ではない」と言っている。中国を隔たった理解をしても無理解と変わらない。
これ以上彼らの都合の良いように利用されないために「日本人の側に自己反省を迫る書」なのだ。