狂暴国家中国の正体 (扶桑社新書) の感想

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タイトル狂暴国家中国の正体 (扶桑社新書)
発売日販売日未定
製作者楊 海英
販売元扶桑社
JANコード9784594071196
カテゴリ » ジャンル別 » 社会・政治 » 外交・国際関係

購入者の感想

モンゴル人の反中ぶりは凄まじいらしい。モンゴル国では、外務省の安全情報で「中国人に間違えられ街頭で殴られるトラブルがあるので気をつけろ」と警告するほどだ。本書は外モンゴル(モンゴル国)ではなく、中国の内モンゴル自治区の話。だが、それでも、モンゴル人が漢民族に対して、なぜ憎しむのかを理解した。文革時の凄まじい虐待、その後の民族浄化と漢民族の大量入植、「略奪的」とまでいう資源開発で、内モンゴルという地域をモンゴル民族から奪い尽くし、根こそぎ中国化しようとしている。ウイグルやチベットも抵抗しなければ同じ運命になると訴えている。

著者は内モンゴル出身のモンゴル人で、モンゴル人のほかウイグルや回族など中国の少数民族研究をしていて科研費も取る、実績のある研究者。本書では、現地調査や文献研究も下地になっているようだ。文革時の虐待を目の当たりにしている。それゆえ中国人への言葉は「嘘つき」「中国は諸民族の牢獄」と、非常に辛辣だ。

モンゴル国について、中ロと渡り合うために、民族的に近いトルコと提携したり、欧州安全保障協力機構に加盟したり……とユーラシア外交を指向しているという指摘が興味深い。独立論が出ている沖縄についても「中国シンパを作って分離させたのちに、自国に取り込もうとしている」と警告している。

フジサンケイ系の扶桑社という版元、過激な表題、中国人を罵倒する文章から、本書を時勢に乗って安直に作った「嫌中本」と取る人もいるかもしれない。だが、著者は中国出身の少数民族・モンゴル民族で、中国人のモンゴル支配を実際に見ている。日本人の「嫌中」とは重みが違いすぎる。また、学問的見地がベースにあるので、過激な言葉だがある程度信頼できる。少数民族からみた共産党支配として読めば、得るところがあると感じる。余談だが、p153のフランス革命100周年というキャプションは、パリ・コミューン100周年だと思われる。

中国共産党の独裁のいわゆる黒歴史(多民族弾圧・抑圧による同化と支配)については、これまでチベット自治区、そして新疆ウィグル自治区(東トルキスタン)がクローズアップされてきたように思われる。かかる情況で、本書は「中国に幻滅し、中国籍を捨てた気鋭のモンゴル人学者」(本ページ「商品の説明」より:1文字の誤植訂正済)による、中共独裁政権による名目的「自治区」とし、漢民族入植と同化政策に観る実質上の「植民地化」(56〜59頁ほか)、そして弾圧と「ジェノサイド」(16〜43頁)等に象徴される、内モンゴル自治区の近現代史と漢民族及びモンゴル民族の比較民族学考察であると言って良い。本書の構成・内容は、このページの「商品の説明」に詳しいのでそれに譲るが、本書の中核は「内モンゴル」問題にあるが、中国共産党の独裁の黒歴史を語る上で避けては通れない、チベット、新疆ウィグル等の民族問題(著者の弁を借りると弾圧と収奪・植民地化)のほか、「回族」問題も取り上げている(211〜218頁)のが特徴である。著者は、かかる中国共産党独裁の黒歴史を、写真や研究資料などを展開しつつ、極めて厳しく批判し、軽率な日本のODAや安易な「日中友好」による(中国による)掌返しに警鐘を鳴らすものである。著者の生まれや育ちを斟酌すると充分に理解できるが、一部に多少情緒的な筆致が垣間見えるのが惜しまれようか。

個人的に興味深いトピックには、日本国内の大学に勤務する「中国人教授」(本書の表現に従う)が2012年に、中国の新聞『環球時報』(中国共産党系機関紙とされ現在のWEBサイトには英語版“Global

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