異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | 異人論―民俗社会の心性 (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小松 和彦 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480082183 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般 |
購入者の感想
論文の文体なので、なにかをはっきり云うまでに行数がかかるものの、論理的で明解な文章なので、難解さに泣くことなく、むしろ論理立てられた筋道を痛快に感じて読了できると思う。
テクスト論などを使って、民俗学としてどう進むべきか、民俗学の方向を向いた抽象的な章もある。人はなぜものがたるか、人はどう語りを聞くかにまでつながって、深いと思った。
一方で、具体的な事例(採録した昔話や伝説)が豊富で、生々しい「各論」を読んでいるだけでも、おもしろい。
巡礼坂。比丘尼塚。七人塚。琵琶淵。座頭池。
そうした地名の由来を伝える伝説が、どう変容していくかなども踏まえ、民俗学がこれまで無視してきた「悪意」「殺意」を見据えていく。
異人の歓待、異人の虐待、異人の殺害。
山姥。折口の云うマレビトの再考。猿婿入。河童。
類話を豊富に収集したからこそ、云えることだと思う。民俗学の論理的科学的な側面にようやく触れられた気がした。稀に出会う良書と思う。
テクスト論などを使って、民俗学としてどう進むべきか、民俗学の方向を向いた抽象的な章もある。人はなぜものがたるか、人はどう語りを聞くかにまでつながって、深いと思った。
一方で、具体的な事例(採録した昔話や伝説)が豊富で、生々しい「各論」を読んでいるだけでも、おもしろい。
巡礼坂。比丘尼塚。七人塚。琵琶淵。座頭池。
そうした地名の由来を伝える伝説が、どう変容していくかなども踏まえ、民俗学がこれまで無視してきた「悪意」「殺意」を見据えていく。
異人の歓待、異人の虐待、異人の殺害。
山姥。折口の云うマレビトの再考。猿婿入。河童。
類話を豊富に収集したからこそ、云えることだと思う。民俗学の論理的科学的な側面にようやく触れられた気がした。稀に出会う良書と思う。