歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | 歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 磯田 道史 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121021892 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
2009年から2012年の新聞連載エッセイを中心にまとめたもの。
先日、ラジオ番組に出演した磯田氏が「忍者の研究を中断し、職と居を浜松に移して東海地震を記した古文書の研究に専念している」と言っていた。ちょうどその経緯と符合するように、前半は忍者、妖怪、習俗などのいわば歴史のトリビアな話題が中心で、後半からは地震を中心とした話題に移っている。
忘れ去られた古文書から現代への警告を読み取っていこうとする磯田氏の仕事ぶりはまことに真摯で敬服に値する。
が、本書の面白さはそこではなく、やはり、磯田氏の歴史おたく、古文書マニアぶり、である。
文章が踊っているというか、心から愉しんで書いていることが伝わってきて、読んでいるこちらまで楽しくなってくる。
真骨頂は「関ヶ原見物作法」と題した一文(p192)。新幹線が関ヶ原の古戦場を通っていることから、下りに乗る時は家康になったつもりで、上りに乗る時は石田三成になったつもりで、いつも必ず車窓をチェックしていくという。司馬遼太郎はかつて、見渡すとそこに過去の街並みが見える、といったそうだが、磯田氏もその域に達しているのだろう。
7年ほど前に「武士の家計簿」を初めて読んだ時は他に著書が見当たらなかったが、いまはかなりあるようなので、ひととおり、読んでみたい。むろん、勉強のため、ではなく愉しみのために。
先日、ラジオ番組に出演した磯田氏が「忍者の研究を中断し、職と居を浜松に移して東海地震を記した古文書の研究に専念している」と言っていた。ちょうどその経緯と符合するように、前半は忍者、妖怪、習俗などのいわば歴史のトリビアな話題が中心で、後半からは地震を中心とした話題に移っている。
忘れ去られた古文書から現代への警告を読み取っていこうとする磯田氏の仕事ぶりはまことに真摯で敬服に値する。
が、本書の面白さはそこではなく、やはり、磯田氏の歴史おたく、古文書マニアぶり、である。
文章が踊っているというか、心から愉しんで書いていることが伝わってきて、読んでいるこちらまで楽しくなってくる。
真骨頂は「関ヶ原見物作法」と題した一文(p192)。新幹線が関ヶ原の古戦場を通っていることから、下りに乗る時は家康になったつもりで、上りに乗る時は石田三成になったつもりで、いつも必ず車窓をチェックしていくという。司馬遼太郎はかつて、見渡すとそこに過去の街並みが見える、といったそうだが、磯田氏もその域に達しているのだろう。
7年ほど前に「武士の家計簿」を初めて読んだ時は他に著書が見当たらなかったが、いまはかなりあるようなので、ひととおり、読んでみたい。むろん、勉強のため、ではなく愉しみのために。