国語入試問題必勝法 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル国語入試問題必勝法 (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者清水 義範
販売元講談社
JANコード9784061847743
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » さ行の著者

購入者の感想

完全にタイトルに騙された。

「国語入試問題必勝法」は受験のためのテクニック本ではない。(3回くらい読んでわかった)

いつかこの本が必要なときが来ると思って、買ってから3年以上、本棚に放置していたままだった。

はやく気が付くべきだった。(買ってすぐに読むべき)

それに先立つ5年くらい前、古本屋の100円コーナーで同じ著者の「虚構市立不条理中学校」と「アキレスと亀」を見つけていた。

「虚構市立不条理中学校」は、直木賞を取り損ねた分厚い長編だが、面白いので一気に読めた。自分の年齢が子供の担任の先生よりも上になった人にとってオススメ。

「アキレスと亀」は、先輩社員と新人OLの掛け合いが絶妙の短編。有名な詭弁を見事に笑いに転換している。

かなり多作の作家なので、ファンになった読者は飽きるまで他の作品を堪能できる。

とりあえず、「河馬の夢」「戦時下動物活用法」「日本語必笑講座」「ゴミの定理」の4冊を追加で注文した。

(いまのところ)どれも中古で1円なのが(ケチな自分には)うれしい。(送料はかかるけど)

受験生の頃読んだとき、実は「国語入試問題必勝法」は半分本気にしていました。かなり笑えてなるほどと思わせる、面白い作品でした。

でも、表題作以上に、印象に残っているのは、「靄の中の終章」です。

老人性痴呆症が進行する様子を主人公の目線で描いていて、初めて読んだとき、とても衝撃的でした。本人以外の目線で描いたものは読んだことはあっても、本人の立場で描いたものを読んだのは、この作品が初めてでした。

この手のパロディー、パスティッシュ、本歌取りとでも言うのであろうか、私にはその手の小説がいささか食傷気味ではあったのだが、この清水義範による『国語入試問題必勝法』は久しぶりに読んで、腹を抱えて久々に大笑いしたものである。あはははは。

パロディーやパスティシュの名人・清水氏による短編集。

収められている短編は以下の通り。

「猿蟹合戦とは何か」
「国語入試問題必勝法」
「時代食堂の特別料理」
「靄の中の終章」
「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」
「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」
「人間の風景」

の八篇である。内容は、

■「猿蟹合戦とは何か」
:丸谷才一『忠臣蔵とは何か』のパロディーである。

■「国語入試問題必勝法」
:十数年前に流行した、有坂誠人という予備校講師によって書かれた学習参考書『例の方法』のパロディーである。「例の方法」とは、本文を読まずして選択肢から正答を求めるという、極めて邪道で姑息な「テクニック」を用いた、国語入試問題の安直な説き方である。

「大、小、展、外、誤」「長短除外の法則」「正論除外の法則」「ピントが外れている文章こそ正解」などの法則に則り、あとは「機械的に」選択肢から正答を求めるというものである。

パロディーでありながら、学校教育の怠惰・弊害をも厳しく糾したものとしても、本書は楽しく読むことができる。

■「時代食堂の特別料理」
:「特別料理」を口にすることにより、忘却の彼方にあった「失われていた時」に回帰することができるというお話。プルーストっぽいつくりではある。主人公は、マドレーヌならぬ「特別料理」を食べることで、記憶の古層の中から、活き活きとした「想ひ出」を想起することかできるのである。しっとりノスタルジー系。

■「靄の中の終章」
:耄碌老人の話。

■「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」

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