西部邁の経済思想入門 (放送大学叢書) の感想
参照データ
タイトル | 西部邁の経済思想入門 (放送大学叢書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 西部 邁 |
販売元 | 左右社 |
JANコード | 9784903500775 |
カテゴリ | ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 » 経済学入門 |
購入者の感想
放送大学の教材には優れものが多いが、
本書もまさしくそういった一冊である。
近代経済学の方法論へ一貫して疑念を投げかけながらも、
経済学者たちの学説を手際よく整理しその射程を画定する。
数ある類書には見られない鋭い洞察が随所に現れており、
時事評論とは趣旨が異なるので文体も明晰で端的である。
単に経済思想史の入門書として優れていることに加えて、
著者の経済学的な主著である『ソシオ・エコノミックス』または
後継の佐伯啓思らの展開する経済思想を理解するためにも
極めて適切かつ有効な役割を果たすものといえるだろう。
「どの思想・学説が正しくどの思想・学説が誤っているか
というようなことを知るのが思想史・学説史の役割なのではない。
すべての思想・学説は、たとえそれらにおびただしい
歪曲や誇張や錯覚が含まれているとしても、まぎれもなく
経験世界の一部を説明しようとするものであった。
経験世界の全体性を回復しようとするものは、それら
すべてを貴重な情報源として、社会科学の基礎論としての
総合的な解釈体系をつくりあげていかなければならない。」(257〜258頁)
本書もまさしくそういった一冊である。
近代経済学の方法論へ一貫して疑念を投げかけながらも、
経済学者たちの学説を手際よく整理しその射程を画定する。
数ある類書には見られない鋭い洞察が随所に現れており、
時事評論とは趣旨が異なるので文体も明晰で端的である。
単に経済思想史の入門書として優れていることに加えて、
著者の経済学的な主著である『ソシオ・エコノミックス』または
後継の佐伯啓思らの展開する経済思想を理解するためにも
極めて適切かつ有効な役割を果たすものといえるだろう。
「どの思想・学説が正しくどの思想・学説が誤っているか
というようなことを知るのが思想史・学説史の役割なのではない。
すべての思想・学説は、たとえそれらにおびただしい
歪曲や誇張や錯覚が含まれているとしても、まぎれもなく
経験世界の一部を説明しようとするものであった。
経験世界の全体性を回復しようとするものは、それら
すべてを貴重な情報源として、社会科学の基礎論としての
総合的な解釈体系をつくりあげていかなければならない。」(257〜258頁)