グローバリズムという病 の感想

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参照データ

タイトルグローバリズムという病
発売日販売日未定
製作者平川 克美
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492314500
カテゴリ経済学・経済事情 » 各国経済事情 » 日本 » 国際経済と日本

購入者の感想

この本の「グローバリズムという病」というタイトルと、「『グローバル○○』って、いい加減ウンザリしませんか?」という謳い文句が少々「?」という感じだったので、最初は買う気は無かったのですが、この本の帯で内田樹氏が、「これは平川君の書き物のうちでも最良のもののひとつだと思う。僕はこの本のすべての頁に同意署名できる」と推薦していたので、それなら騙されたと思って読んでみようと思った次第です。私自身としては、グローバル化の進展というのはファクトであってそれ自体を批判しても意味はなく、その事実に対して自分達がどういった心構えとスタンスで臨むのかが問題なのだと思っていますから。
それで読んでみましたら、内容的には経済学者の水野和夫さんが言っていることとベースは同じだと思いました。水野さんは、資本主義が生き残るために成長のフロンティアを求めてグローバルに拡大するのだと言っていますが、平川氏は、株式会社が生き残るために多国籍企業化して、その活動がグローバリズムの拡大をもたらすのだと言っています。
但し、平川氏は、グローバリゼーションとグローバリズムを明確に区別していて、グローバリゼーションは科学技術や通信・交通手段の発達によって恒常的に推し進められる歴史の必然であるが、グローバリズムは「イデオロギー」であり、米国発の多国籍企業が経済活動の自由度を高めるために、国民国家やローカルな社会を蔑ろにする「世界規模にまで拡大されたビジネス競争戦略のひとつ」だとしています。そして、グローバリズムの価値観は、自己決定、自己責任、成果主義、自由貿易、市場競争などといった、非常に特殊な成り立ちを背負ったアメリカという国の、本来的には英米の家族システムが持っていた価値観と強い親和性を持っていると言っています。
そして、予想通り出て来たのが、グローバリストが好む人間観である「経済合理的な人間」に対する疑問です。「誰だって贅沢がしたいはずだ、誰だってお金が欲しいはずだ」というのは、確かに人間の一面の真理を含んではいるが、それは「人間は贅沢がしたいだけだ、人間はお金が欲しいだけだ」ということは意味しておらず、人間が持っている要素の内、合理性に還元できないもの、即ち、倫理観、道徳観、家族関係、性格といった要素は、ここでは極端に過小評価されていると言っています。

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