演劇入門 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトル演劇入門 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者平田 オリザ
販売元講談社
JANコード9784061494220
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

タイトルは固いが、演劇史を俯瞰してどうのこうの、という類の本ではない。劇作家の平田オリザが、戯曲の作り方に触れながら展開する演劇論である。

例えば幕が上がって、「やっぱり美術館はいいなあ」という台詞は、説明的すぎてリアルではない、と著者はいう。リアルに表現するためにはどういう発想をすればいいか、が具体的に書いてある。この文脈だと当然「なぜリアルでなければならないのか」という疑問が起こるが、それもコンテクストという概念を使って、うまく説明している。コンテクストの問題は非常に示唆的で、演劇に留まらず、あらゆるエンターテイメントに応用の効く考え方だろう。

個人的には、会話と対話の違い、「テーマは先に決めてはならない」という理由などが強く印象に残った。これにリアルさ、コンテクストの話題を含めると、本書の大部分を網羅してしまう。わずか200ページ程度の本で、未来に向けての演劇というテーマにまで言及してしまうのはすごい。それだけ内容が濃いにもかかわらず、読みやすいのも良い。新書として満点に近い本だと思う。

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講談社から発売された平田 オリザの演劇入門 (講談社現代新書)(JAN:9784061494220)の感想と評価
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