粒子法入門 流体シミュレーションの基礎から並列計算と可視化まで C/C++ソースコード付 の感想
参照データ
タイトル | 粒子法入門 流体シミュレーションの基礎から並列計算と可視化まで C/C++ソースコード付 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 越塚 誠一 |
販売元 | 丸善出版 |
JANコード | 9784621088340 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 工学 » 機械工学 |
購入者の感想
同じ越塚先生(ら)著の計算力学レクチャーシリーズの『粒子法』に引き続き、粒子法(MPS法)の日本語の本2冊めです(『粒子法シミュレーション』はどちらかというとCG向けなので数に入れてません)。
内容を一言でまとめると「大学院M1の学生向けの講義資料集をまとめたもの」に近いと思います。もう少し具体的に言うと、「知識・能力は学部レベルの初歩的な内容は一応は頭に入っているはずの人が、いきなりMPS法のプログラムを書けと言われた場合に、少しずつ理解しながら作っていくのに参考になる本」です。
200ページ弱あるうちの、1/3がMPS法(と計算シミュレーション)の理論が書かれており、具体的に数値を当てはめながら、丁寧に式誘導も書かれています。
(ここまでやるなら演習問題があってもよかったのではないかなと思いました)
あと100ページ(本書の半分)は応用(マルチフィジックス・並列化・可視化)ですが、応用を紹介するには100ページは短すぎて少し物足りません。
適用例の紹介が残りの1/6ぐらいありますが、「へーこんなのあるんだ」で終わってしまうので、おまけと思います。
説明が丁寧な以外には、個人的な観点から良かったと思う点は、
・「粒子法」と「粒(ビーズ)の動き」の違いの説明が分かりやすかった
・乱流についてももう少し掘り下げた説明がある
ところです。
ただ一方で、現在の粒子法(MPS法)の状況を網羅しているとは言いがたいです。
つまり、意図的に紹介・内容に取り入れていない研究等があり、政治的な何かを感じざるを得られませんでした。
仕方ないこととは思うのですが、がっかりしたのが正直なところです。
本書で紹介されている標準MPS法のままでは実用に耐えないのは既知の事実ですので、本書の内容だけで「粒子法(MPS法)つかえねー」と判断される方が増えないことを祈るばかりです。
あと細かいところだと、GPGPU(CUDA)は、今はもはやカーネルをがりがり書くって時代でもないので、ちょっと内容が古いかなと思いました。
内容を一言でまとめると「大学院M1の学生向けの講義資料集をまとめたもの」に近いと思います。もう少し具体的に言うと、「知識・能力は学部レベルの初歩的な内容は一応は頭に入っているはずの人が、いきなりMPS法のプログラムを書けと言われた場合に、少しずつ理解しながら作っていくのに参考になる本」です。
200ページ弱あるうちの、1/3がMPS法(と計算シミュレーション)の理論が書かれており、具体的に数値を当てはめながら、丁寧に式誘導も書かれています。
(ここまでやるなら演習問題があってもよかったのではないかなと思いました)
あと100ページ(本書の半分)は応用(マルチフィジックス・並列化・可視化)ですが、応用を紹介するには100ページは短すぎて少し物足りません。
適用例の紹介が残りの1/6ぐらいありますが、「へーこんなのあるんだ」で終わってしまうので、おまけと思います。
説明が丁寧な以外には、個人的な観点から良かったと思う点は、
・「粒子法」と「粒(ビーズ)の動き」の違いの説明が分かりやすかった
・乱流についてももう少し掘り下げた説明がある
ところです。
ただ一方で、現在の粒子法(MPS法)の状況を網羅しているとは言いがたいです。
つまり、意図的に紹介・内容に取り入れていない研究等があり、政治的な何かを感じざるを得られませんでした。
仕方ないこととは思うのですが、がっかりしたのが正直なところです。
本書で紹介されている標準MPS法のままでは実用に耐えないのは既知の事実ですので、本書の内容だけで「粒子法(MPS法)つかえねー」と判断される方が増えないことを祈るばかりです。
あと細かいところだと、GPGPU(CUDA)は、今はもはやカーネルをがりがり書くって時代でもないので、ちょっと内容が古いかなと思いました。