日本共産党の深層 (イースト新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル日本共産党の深層 (イースト新書)
発売日販売日未定
製作者大下英治
販売元イースト・プレス
JANコード9784781650210
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー

購入者の感想

 イカツイ書名と本書の内容は一致しない。
 有名な共産党議員の生い立ちと家族たち、議員活動の紹介が中心の、笑いあり涙ありの書である。ロスジェネ世代の吉良よし子(31)、学生運動世代からソ連崩壊世代の小池晃(53)、畑野君恵(56)元参院議員、戦後派の穀田恵二衆院議員(67)、戦中派の松本善明(87)元衆院議員など、それぞれの世代が、その時代の社会状況のなかで日本共産党に入党し、議員になる決心をして、国会で活躍する。それを紹介する本書は日本社会の「深層」の一つの流れを生き生きと描き出す。

 金や名誉と無縁な日本共産党議員の議員になるのは、本人よりも家族にとって重大な出来ごとである。私の知人で、家族の反対で立候補を断念した共産党員もいる。そのような事情を理解できる者が、笑ってしまうのが、吉良よし子が、高知の県会議員で落選中だった父に、立候補を伝える場面だ。ネタバレになるので、これ以上の紹介をやめる。

 さて「日本共産党本」には、3種類ある。
一つは、日本共産党や党員が書くもの。党大会決定や党幹部や党員の論文だ。
二つ目は党員では無い筆者が、それぞれの興味から日本共産党をまともに取材し、現実の日本社会の中に存在する日本共産党や党員を描く書。この書が属するグループだ。

三つ目は、日本共産党の実態とは無縁のイメージを吹聴する書。実は、世の中にはこれが一番多いのだが。そのような書の特徴は、日本共産党を語らず、ソ連、中国、北朝鮮、スターリン、毛沢東を語る。戦前の思想警察であった特別高等警察が日本共産党を弾圧するためにでっち上げた事件や、戦後のアメリカ占領軍や公安警察がでっち上げた事件を語る。そして、それらの国や出来事を現在の日本共産党がどう評価しているか、日本共産党自身がソ連や中国、スターリンやレーニンの以前の評価を、公開されている党の大会で正々堂々と変えてきたことは語らない。
 これ以上の日本共産党の歴史については、書評の範囲を超えるので筆を置くが、本書は日本共産党の「反省と変化」についても触れていることを紹介しておく。

 

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

日本共産党の深層 (イースト新書)

アマゾンで購入する
イースト・プレスから発売された大下英治の日本共産党の深層 (イースト新書)(JAN:9784781650210)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.