人体 ミクロの大冒険 60兆の細胞が紡ぐ人生 (ノンフィクション単行本) の感想

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参照データ

タイトル人体 ミクロの大冒険 60兆の細胞が紡ぐ人生 (ノンフィクション単行本)
発売日販売日未定
製作者NHKスペシャル取材班
販売元KADOKAWA/角川書店
JANコード9784041107584
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 基礎医学 » 解剖学

購入者の感想

NHKの番組用に取材した内容をまとめたもの。番組には盛り込めなかった話や、エピソードも書かれている。人体を構成する約60兆個もの細胞の機能に注目し、人体における後天的な形質の変化がどのようにもたらされるのかについて、内外の一流の科学者たちに取材した成果をまとめた本。全て文字だけで構成されている。

赤血球や骨芽細胞、バイオイメージング、万能細胞、細胞の自己組織化、エピジェネティクス、多能性と単能性、臨界期、ミエリン梢、SRY遺伝子、ホルモンの働き、オキシトシン、免疫細胞と老化の関係、胸腺とT細胞、再生医療、PTSD、他。

エピジェネティクスについて多少なりとも知識がある人であればそれほど難しくはないと思われる。ただ、イメージがないので、全く前提知識がないと難しく感じるかもしれない。この分野の研究が日進月歩で進んでいることを実感する。

NHKの番組は3月29日(土)・30日(日)、4月5日(土)・6日(日)と4回にわたって放送されるから、そちらを見ればよいだろう。実際にこの番組でいちばん重要な点は「人体は細胞の社会であり、細胞はそれぞれのスペシャリストである」ことを映像で見せてくれる点である。大学の動物学で動物組織学を学んだことで、私はそのことを学生時代に実感したが、高校の教育現場ではいろいろ工夫はしたものの、生徒に「スペシャリスト細胞」を実感させることは、とうとう出来なかった。それがCGだけでなく、バイオイメージングなどの最新撮影技術によって具体的な映像として展開するのである。これは生物教育史上、画期的なことである。番組を録画するとか、DVDになったら購入するとかして繰り返し見てみたい。
 一方、本のほうには一枚の写真もない。文字だらけである。けれども本には番組では表だって語られない撮影の工夫や調査の苦労が書かれている。第1回のヒトの受精卵の卵割のバイオイメージング映像も撮れて不思議はないくらいに自然に番組に登場しているが、撮影は予期せぬ失敗の連続で大変な苦労があったことが書かれている。番組には出て来ない人々の研究や努力が記録されている。話題があちらこちらに飛んでやや読みにくいが、番組と併せて読むことで価値がわかる本といってよいだろう。 

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