眺めのいい人 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル眺めのいい人 (文春文庫)
発売日2013-05-10
製作者伊集院 静
販売元文藝春秋
JANコード9784167546199
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者

購入者の感想

なんとなく、自分の心や人格に自信が持てなかった時に、このタイトルが目に入りました。大人の男性である伊集院さんが、たくさんの人に接するなかで、どんな受け方をするのか、気にいっている人はどういう人なのかを知りたいと思いました。
うーん、やっぱり大人!!魅力いっぱいでした。

著者・伊集院静氏が1999年〜2000年にかけて、週刊誌に連載
した、エッセイが綴られている。「眺めのいい人」に登場する
人物は、昭和時代を駆け抜けた、作家、歌手、女性作詞家、
女優、カメラマン、俳優、映画監督など、ほんとうに多彩な
顔ぶれである。

本書で目を惹くのは、夜の銀座でバッタリ出会った人と、著者
が親交を深める過程が、とてもゆったりとした文章で書かれて
いる。

人生の偶然の出会いを積み重ねて行くにつれ、著者が人間として
成長を遂げている事を回顧しながら、丁寧な言葉づかいで綴られ
ているのだ。

印象に残ったのが、木山捷平の下駄で、小説家・詩人木山捷平氏
を紹介しているところだ。過ぎてしまった時間を静かに見つめる
著者・伊集院静氏が重なって見えてくる。

昭和時代にこそ、存在した貴重な空間や時間を共有できる、良書
なのである。

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