慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント の感想
参照データ
タイトル | 慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 上田紀行 |
販売元 | 朝日新聞出版 |
JANコード | 9784022508867 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
文化人類学者で日本仏教の再生にも尽力している著者が、「3-11」後の「不安」のまっただなかにあって、適切なコトバを見つけることができずにモヤモヤした感情を鬱積(うっせき)させている日本人に送る小さな一冊。
「天災と人災をはっきりと分ける」、「空気に自分をあわせない」、「生きる意味を見直す」、「慈悲からの怒りをもつ」という実際的なマインドセット(心構え)を日本人のひとりひとりがもつことによって、不安を不安としてそのまま受取り、「3-11」以後に続く「第三の敗戦」状態のなか、日本人は過去と訣別し、未来に責任を負うための言挙げしていかなくてはならない
もっとも重要なメッセージは、タイトルにもなった「慈悲の怒り」だ。人に向けた悪しき怒りではなく、行為に向けた「慈悲の怒り」。不動明王の憤怒の相。
日本人は感情を抑え込むのではなく、「慈悲の怒り」によってただしく怒り、失敗原因を明確にし、社会科学的に問題構造を断ち切ることが、未来に向けての責任を負うことになると説く。
かつては「癒し」というコトバを日本に流行させるキッカケをつくった著者だが、ダライラマとの深い対話が実現したのちは、ダライラマが発言した「慈悲の怒り」という重要なコンセプトを手にすることになった。
震災と原発被害で生き残ったわれわれは、「二重の人災」に対して言挙げし、未来を創造していかなくてはならない。慈悲を背景にもった怒りであれば、むしろもつべきなのだ!
心のモヤモヤを晴らし、自分がなすべきことを自覚するために、目に見えない不安を抱えた人たちにこそ、ぜひ薦めたい一冊である。
「天災と人災をはっきりと分ける」、「空気に自分をあわせない」、「生きる意味を見直す」、「慈悲からの怒りをもつ」という実際的なマインドセット(心構え)を日本人のひとりひとりがもつことによって、不安を不安としてそのまま受取り、「3-11」以後に続く「第三の敗戦」状態のなか、日本人は過去と訣別し、未来に責任を負うための言挙げしていかなくてはならない
もっとも重要なメッセージは、タイトルにもなった「慈悲の怒り」だ。人に向けた悪しき怒りではなく、行為に向けた「慈悲の怒り」。不動明王の憤怒の相。
日本人は感情を抑え込むのではなく、「慈悲の怒り」によってただしく怒り、失敗原因を明確にし、社会科学的に問題構造を断ち切ることが、未来に向けての責任を負うことになると説く。
かつては「癒し」というコトバを日本に流行させるキッカケをつくった著者だが、ダライラマとの深い対話が実現したのちは、ダライラマが発言した「慈悲の怒り」という重要なコンセプトを手にすることになった。
震災と原発被害で生き残ったわれわれは、「二重の人災」に対して言挙げし、未来を創造していかなくてはならない。慈悲を背景にもった怒りであれば、むしろもつべきなのだ!
心のモヤモヤを晴らし、自分がなすべきことを自覚するために、目に見えない不安を抱えた人たちにこそ、ぜひ薦めたい一冊である。