一六世紀文化革命 1 の感想

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タイトル一六世紀文化革命 1
発売日販売日未定
製作者山本 義隆
販売元みすず書房
JANコード9784622072867
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

 序章を読めば山本さんの問題意識は一目瞭然。一三世紀商業革命をきっかけとする実用数学の発展はやがて複式簿記を生み、世界は数学的に把握できるものとして理解可能だし、そうであれば制御することも可能だ、という方向に世界を見る目を変化させていった、と指摘した後、前著の『磁力と重力の発見』にも関わってくるのですが、ギルバートの地球が巨大な磁石であるという発見は、職人による《磁針の北が水平より下を向くという「伏角」の発見とその測定であった》(p.10)と。こうした職人たちは偉大な足跡を残すわけですが、当時の《アカデミズムの世界では、実験や経験は認識手段としては低く見られていた》(p.17)と。しかし、かれらは、俗語で執筆することによって、知識の公開性をたかめ、多数の参加者を集めることも可能にしていくんです(p.23-)。ここらはあたりは感動的ですな。こうした積み重ねが《真理を追究すべき場所が「遠い過去」の「権威ある文献」から、日常的な生産実践と日々開けてゆく地球へと変》(p.27)えていったのでしょう。

 2章の「外科医の台頭と外科学の発展」は外科医が内科医から奴隷のように扱われていたというのには驚きました。そもそも、ラテン語圏の「外科」という単語は手仕事という意味のギリシア語からきているそうです。

3章の「解剖学・植物学の図像表現」のレオナルドが心筋梗塞で死んだ男性を解剖し、毛細血管を最初に詳しく観察した、というのはすごい話だな、と思いました(p.192)。

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