空き家問題 (祥伝社新書) の感想

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参照データ

タイトル空き家問題 (祥伝社新書)
発売日販売日未定
製作者牧野知弘
販売元祥伝社
JANコード9784396113711
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » マーケティング・セールス » 一般

購入者の感想

著者が言うように空き家問題から空き自治体へと問題は拡大し、
このまま行けば、取り返しのつかないことになるのでしょう。

廃藩置県のような痛みの伴う、大改革が必要なのでしょうが
現実路線から考えれば、到底かなわない夢のような話なので
抜本的解決策などないに等しいのだろうと感じさせられる本だった。

空き家問題といった、あまり多くの人に不利益ない話だけれども
突き詰めればやはり、既存の制度に潜む限界や闇が見えてくる
話なのだと感じた。

空き家条例、流動化促進策、空き家バンクについて実効性を疑っている一方で、市街地再開発やシェアハウス、減築等を対策として提案している。ただし、そもそも人口・世帯が減るのでシェアハウスは根本的対策にならないし、住宅地の再編の際の信託等の活用は提案されているものの実行が難しく、減築も集合住宅は有効だが分譲住宅には適用しづらい。先行文献を探したら、多様な取り組みと課題が指摘されていることは分かったはずだが、十分な検討がされていない。やや我田引水的な議論になっている。

2014年5月に日本創成会議が「消滅可能性のある自治体」を発表して広く報道されたのは、ご記憶に新しい方も多いはず。安倍内閣が(賛否あれど)「女性活用」を謳って少子化対策に(ようやくの)盛り上がりの気運が高まっている昨今に、本書のテーマは非常にタイムリー。

老いゆく親だけが住み、(そこに仕事もないから)誰も戻る予定のない思い出の実家の処分方法など、「死」をタブーとしがちな現代日本人にとって避けたい頭痛の種ですが、本書はその種が個人の問題だけに留まらず、ひいては教育・医療・福祉などのくらしの根幹に関わる社会全体で向き合うべき都市計画上の難題であることを、東日本大震災、少子高齢化、戦後の家族のあり方等、点と点を結んで俯瞰しています。

読者個々人の「実家、どうしよう」「日本やっぱりやばいな」という暗澹たる読後の危機感の集合が、最大の処方箋になり得ると信じています。

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祥伝社から発売された牧野知弘の空き家問題 (祥伝社新書)(JAN:9784396113711)の感想と評価
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