赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉 (集英社文庫) の感想

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タイトル赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉 (集英社文庫)
発売日販売日未定
製作者広瀬 隆
販売元集英社
JANコード9784087483833
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

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 第一次大戦がロスチャイルド側が仕組んだ戦争であるとするなら、第二次大戦は逆にロスチャイルド家が危機に直面した場面である、と著者は理解している。著者の理解は決して日本主義ではない。第1巻で「日本人がフィリピン、香港、中国、朝鮮半島、南ア、インドネシアをはじめとして世界の各地で何をしてきたかは、いずれ報告する」と明言されていて帝国主義日本については容赦なく批判的である。同時に続く第3巻には北海道のニッカウィスキーを愛飲していると述べられていたり農業政策の貧困を嘆いていたりする。
 しかし、文庫4巻を通して打たれている通し頁数で1715頁となる堂々たる浩瀚な書の主役である「世界一のわが親族」ロスチャイルド家が簡単に滅びることはない、とも言明されている。フランス、オランダが如何にロスチャイルド家を裏に隠しているか、いやロスチャイルド家そのものであるかということをこれでもか、と言わんばかりに。著者の関心は、単に痛くも痒くもないところでいて戦争の虐殺や植民の虐待を招いても自己の血筋の繁栄とその力学しか考えていないとしか思われない者どもを決して許さないという正義感によって貫かれていて倦むことを知らない。

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