人工呼吸管理に強くなる〜人工呼吸の基礎から病態に応じた設定,トラブル対応まで 誰も教えてくれなかった人工呼吸管理のABC の感想

人工呼吸モードの解説のみならず、呼吸生理学から人工呼吸器関連肺炎、鎮痛・鎮静、ウィーニングなど、エビデンスに基づき解説されています。
入門書として書かれていますが、内容は意外に深く、初心者のみならず、実際に人工呼吸器を設定する中堅が読んでも勉強させられることは多いです。
呼吸生理、またグラフィックモニターの項は私は特に勉強になりました。
人工呼吸に携わる全ての人にお勧めの一冊です。

人工呼吸器を学ぶことは若手医師やICUではない病棟のコメディカルなどには困難がつきまといます。誤解を招きやすい専門用語が山のように出てきて、それでいて人工呼吸器をつけた患者を受け持つ機会はそれほどない。本を開いてみても、専門用語の解説は多く載っているが、それがどのような意味を持つのか本当に理解するところまでは至らずに何となく過ぎていってしまう。この本は人工呼吸器に必要な知識を最低限必要な生理学的知識から基本の設定、トラブルシューティング、抜管の仕方まで分かりやすく解説している。正直これぐらいうまくまとまった人工呼吸器の本はあまり見かけないと思います。これで完璧ではないでしょうが、初学者が基本を身につけるにはとても取り組みやすい内容だと思います。そして所々に挿入されているEBMのTipsのようなところも面白く読めました。アメリカでの臨床経験のある方が多いとのことで、編者が冒頭に述べているように多少の嗜好というものは出ていると思いますが、理にかなっているという点で私自身は特に違和感を感じませんでした。総じて今まで人工呼吸器ってよく分からないと思っていた人にお勧めの本だと思います。私は研修医に勧めています。