過激な隠遁―高島野十郎評伝 の感想

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参照データ

タイトル過激な隠遁―高島野十郎評伝
発売日販売日未定
製作者川崎 浹
販売元求龍堂
JANコード9784763008183
カテゴリ宗教 » 仏教 »  » 正法眼蔵

購入者の感想

21年間もの間、野十郎と交流のあった川崎氏が、画家との出会いから画家の死までのエピソードを通して、その作品・作風・生き様を語る一冊。
伝記部分については個人的な意見が多いものの、画家の作品への評、仏教と画家の思想との関連については、非常に興味深い。
「在るに非ず、また在らずに非ざるなり(嘉祥大師)」・・・裏と表、この世とあの世、光と闇、すべてを往復する画家の視点。
「闇夜を鳥は清くて明るい色と見、人間は暗黒としてしか見ない(空海)」・・・月を描いたのではなく闇を描いたのだという画家。

本書の3分の1近いページをさいて紹介されている画家の小説『なりゆくなれのはて』の引用部分は、少し減らして欲しかった。画家に立ち退きを迫る開発業者と、住処を守りたい画家の攻防は、原発を建てるため無理やりに工事を強行する電力会社のやり口を思い出させ、たしかに腹立たしい。画家の行動は力強く清々しく、若干ユーモラスではあるのだが、このエピソードのみを、そう詳しく知りたかったわけではないので。
また本書にはカラーページが多いが、このサイズの書籍ではどうしても画家の作品の良さがわかりにくい。愛好者には物足りなく、初めてこの画家に接する読者にはその魅力が伝わりきらないのではないか、と思う。作品を堪能したい方は、価格は少し上がるが高島野十郎画集―作品と遺稿をお勧めする。本書はその「サブテキスト」として添えておくのには良書。

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求龍堂から発売された川崎 浹の過激な隠遁―高島野十郎評伝(JAN:9784763008183)の感想と評価
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