新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!? の感想

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「これはやっかいなことになったぞ！？」

……わかるわかる！女子中学生とコラボして商品開発って、業務外でしょ？
時間かかりそうだし、社会人の先輩としてレクチャーもしないといけないし、
第一売れないと責任は誰が持つの？こりゃ大変だ。どうする？岩塚製菓さん！！

……とまあ、読者がどきどきするくらいの臨場感たっぷりで展開される本書。
読み進めるうちに、ジェットコースターに乗っているような気分になります。

「味くらべ」などのおせんべいで有名な岩塚製菓・社長が、
学校改革で一躍時の人になり、カンブリア宮殿にも出演した
品川女子学院（以下品女）漆校長にお手紙を送られたことからこのストーリーは始まります。

何度かのやり取りを経て、二者は「商品の企画」でコラボレートすることに。
自由な発想を持つ品女の中学生と、岩塚製菓から厳選された社員7名がコラボレートして
新しい商品を創り上げていくわけなのですが、
単なる実況中継に終わらないのが本書の面白いところ。

入社当初は強い信念を持っていたのに、
新商品のアイデアが出るたびに会社の都合や技術の制約を先に考えて
自由に考えることを忘れてしまう社員の目の前で、
いとも簡単にその壁を取り払っていく女子中学生。

その中学生を前に、忘れかけていた情熱を取り戻し、
いい商品を作って行こうと決意する社員たち。
その過程にある悩み・もだえ・苦しみも容赦なく描いてあります。

これでもかというくらいみずみずしい感性で向かっていく中学生と、
彼女たちから必死で学ぼうと努める岩塚製菓の社員の姿が、なんともまぶしい。

「あなたは今、一生懸命になれていますか？」
読み終わった後、本の中の中学生からそんな風に言われた気がして、
中学生の頃、部活に燃えていた自分を思い出しました。

おすすめです。