冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ) の感想

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遊びの選択肢はたくさんあります。わが息子は学校から帰るなりゲームに夢中です。それを買い与えたのは私であり全面否定はしませんが、バランスよく外でも遊んでくれる事を望んでいます。
この本は私が小学校のころ、学校の図書館で見つけ返すのが惜しく、親に新品をねだって買ってもらった思い出の一冊です。この本に書かれているいろんな技を工事現場の砂山や鉱山で実践しいっぱしの冒険家を気取ったものです。
それから２０年ほどが過ぎ、ネットで買い物をしている最中に偶然本書を見つけ、正直まだ売ってるんだというのが素直な感想でしたが、届いた後ぱらぱらとめくると古臭さはまったく感じません、なんだかうれしくなってしまいました。
学校から帰った息子に早速見せたところ興味を持つか少々不安がありましたが、母親に怒られるほど集中し夕飯まで読みふけっていました。
子供が小学校に入り、少し手が離れる事に甘え、遊びをゲームやお友達にまかせがちになっていたのは私の反省するところです。
おかげさまで週末が忙しくなりそうです。息子は火起しに興味津々で目下道具を製作中です。
私が小学校のころにこの本に出会い、私の息子が同じころにまた出会いました。いつの日か彼が自分の子供を持ちこの本をもって冒険に出かける事は充分期待できる事でしょう。

予断ですが、この本をよんで冒険に出かける子供たちは多くの驚きと達成感を得るでしょう。同時に大なり小なり怪我も伴います。
彼らが得る充実感の為にリスクを許容するのも大切だと思います。勿論バランスが大事ですが。
私の息子はナイフで指先を切ってしまいました、母親は発狂しましたが本人曰く、自分が刃先に指を置いたのが悪いとの事。
いつも失敗は人のせいにしがちな息子ですが、彼が得たものは小さくないようです。

　アウトドアばやりの昨今、キャンプやハイキング、野外料理などのいろんな入門書が出ている。しかしいまだこの本を超えるものには出会っていない。　この本をはじめて手にした当時、私はYMCAの職員として小学生の野外活動クラブを担当していた。この本をテキストに選び、こどもたちは服装や装備の知識を学び、そして彼らは実際に野外でさまざまな体験をするなかで生きる知恵を獲得していったのである。　この本はこども向けにも文章が平易で、写真ではなく松岡氏のイラストがとてもわかりやすい。そして「歩く、食べる、寝る、作って遊ぶ、動植物と出会う、危険に対応する」など野外での基本的な行動についての知恵が網羅されている。「アウトドア」をファッションではなく、野外で楽しく安全に生活することととらえているために、書かれている内容は年月を経ってもまったく陳腐化していない。これは名著であると断言できる。　某女子短大で「自然活動学」という講義を担当している。教職者をめざす若い女性向けにまたまたこの本がテキストとして活躍しているのである。彼女らに、今までのアウトドア体験を聞いてみるとほとんどの学生がキャンプやハイキング、飯盒炊さんなどを「学校行事」としてしか体験していないという。お粗末とは言わないが「可哀想な体験」であるといわざるを得ない。教育改革の流れの中で文部省も「野外教育」に注目しはじめている。教室を出て自然の中で「何を」「どのように」学ぶのかまだまだ未整理のままであるが、こんな本をテキストに自然を体験する豊かな機会をこどもたち、そして大人にも用意してあげたいものである。そしてこの本も一家に一冊、常備をお勧めする。