資本論 ─まんがで読破─ の感想

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参照データ

タイトル資本論 ─まんがで読破─
発売日2013-06-28
製作者マルクス
販売元イースト・プレス
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

大部な原作を一冊のコミックに仕立てる方法はいくつかある。もっとも有名な部分のみにスポットをあてる、全体を要約する、原作者の評伝として語らせる。本作はどれでもない。あえて言えば有名な部分、とくに労働価値説かなと思うが、どこまでカバーしているか詳らかではない。
資本論自体、多くの論文のつぎはぎのような側面があり、マルクスのオリジナルの考え方というものは実は無い。労働は価値の源泉、これは正しい、そして剰余価値を資本家が横取りしているから労働者は貧しくなる。ここに大きな穴があることはマルクスは気付かなかった。剰余価値が労働力だけから生じるなら資本家の行為は搾取だが、それが技術、資本、市場、そして労働の相乗効果で生まれることを十分には論じなかった。単に、当時の労働者の貧しさを資本家との不公平なゼロサムゲームの結果としてまとめたに過ぎない。
本作はかなり陳腐な資本家と労働者の対立の構図から労働価値説を分かりやすく描いている。しかしその間違いについては触れていない。原作を踏まえてということなので仕方ないが、共産主義が消滅した遠因が資本論の誤りにあることは描くべきだったと思う。

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