実朝の首 (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトル実朝の首 (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者葉室 麟
販売元角川書店(角川グループパブリッシング)
JANコード9784043930029
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

 平安末期から鎌倉前期の話って、わかりにくいですよね。特にわからないのが、北条氏が源将軍家を根絶やしにしちゃったと思えるところ。源家にかわって将軍の地位を乗っ取るのならともかく、源の家と関係のない親王を将軍にしようとして、結果として公家を将軍にすえて幕府を続けちゃった事です。
 みんなそれで良かったのか? すくなくとも、子供や孫を殺された形になった北条政子はそれで良かったのか? まったくわかりません。しかもその過程で、北条家内で親子の権力争いとかまであって、政子、何を考えていたのか。

 このお話、源将軍家が根絶やしになるその日、実朝暗殺の日から始まります。ある意味源実朝が主役のお話なのですが、もちろん彼は最初から最後まで死んでいる。首と胴体は離れています。
 その中で、「誰が?」「なぜ?」というミステリ的な興味と、これからどうなるのかとはらはらする政治的な駆け引き、結果として、今までわからなかった公家将軍の誕生の理由もわかるという、大変に面白いお話になっています。
 そうだったのか? そうだったのかも! という驚きに満ちた娯楽作品です。

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