北朝鮮がアメリカと戦争する日 最大級の国難が日本を襲う (幻冬舎新書) の感想

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タイトル北朝鮮がアメリカと戦争する日 最大級の国難が日本を襲う (幻冬舎新書)
発売日2017-12-13
製作者香田洋二
販売元幻冬舎
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カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢

購入者の感想

かねがね評者は、北朝鮮が核を放棄する意思はないし、それを黙認する危険性はアメリカにとって重大だから(本土防衛の観点に加えて、日本という同盟国を失い、かつ多くのならず者国家への核拡散を引き起こす)、対話など不可能であると思ってきた。対話すれば必ず約束を裏切れられてきたのが、核をめぐる6者協議だった。北との対話を主張する人は、戦争だけは避けたい、との思いだろうが、向こうがそうは思っていない以上現実を見る必要がある。北との対話は、かの国の核戦力を認めることになり、ひいては日本や韓国の核武装につながる。その時の東アジア情勢は、今よりもっと危険だろう。

そのため、ある朝起きるとネットニュースで米軍の空爆を知ることになるのだろうと考えてきた。

その予想が概ね正しいことを教えてくれたのが本書である。著者は自衛隊出身だから、戦争や防衛問題の専門家である。タイトルは本書の意図とはやや違う、著者の見立てでは、アメリカの奇襲攻撃的な空爆が予想されているからだ。それが日本にとっては重大な国難であることの意味は、事態の重大さに混乱し政治指導者が充分に米軍を支援できない可能性こそが国難であるとの指摘である。冷静な分析によれば、北朝鮮による日本への攻撃はありうるが、主目的ではない以上十分に対処可能であるという。在日米軍基地への攻撃は、北の体制そのものの破壊を引き起こす危険な賭けであるから、それには踏み切れない可能性が高い。また、もし危険な賭けが実行された場合の迎撃も十分可能であろうという。北への空爆はアメリカの利益のためのみではなく、自由経済や民主主義を重んじる国際社会を守るためでもあるというのが、著者の主張である。現に9月の国連総会での北への非難決議には中露も賛成せざるを得なかった。

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