実践・老荘思想入門 一喜一憂しない生き方 (角川SSC新書) の感想

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タイトル実践・老荘思想入門 一喜一憂しない生き方 (角川SSC新書)
発売日2012-10-12
製作者守屋 洋
販売元KADOKAWA / 角川マガジンズ
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購入者の感想

老子・荘子には優れた処世の知恵が盛られています。
40年以上前にカッパブックスから発売された時に購入しましたが、あまりにも分かりやすく素晴らしい内容であったため、読み過ぎてボロボロになってしまい、その後は廃刊になってしまいました。そんな時に、新たに別の出版社から発売されているのを知り、直ぐさま購入しました。人生というのは若い頃には若いなりの悩みがあり、歳をとってもまた然りです。若き青春時代に救われたこの処世の術を、人生を重ねた現在にも生かしたいということで、毎日のように本を持ち歩いては読んでいます。
順境に有る時はそれを持続させるにはどうしたらよいか、逆境に立たされた時にはそれをどう乗り越えればよいのか、この本には魑魅魍魎な人間関係渦巻く現代社会を生き抜く処世術がとても分かりやすく書かれている入門書です。そして、例え話を織り交ぜながら語るこの本に、乱世を生き抜く人生の知恵と勇気が心の底から沸いてくる本でもあると確信しています。

老子・荘子の思想を、筆者が彼らの思想に通じると考える徳川家康や西郷隆盛、また企業の社長や華僑のビジネス文化などの実践例を通して現代人にも親しみやすく紹介した本。文章も平易で読みやすく、内容を咀嚼し魂に沁み込ませるにはするには膨大な時間が必要ですが、文章自体は1時間くらいあれば読めるのではないかと思います。
 タイトルに「実践」と銘打たれているだけあり、あくまで老荘入門書&守屋さんの現代処世術指南書という感じの内容で、教養書と言うよりは生活一般も視野に入れた守備範囲の広いビジネス書だと思いますので、本格的で学問的な解説を期待すると違和感があるかと推察されます。ご注意を。
 また、老子と荘子で章分けがされているのかと思ったのですが、本書はそうした学問書的構成ではなく、老荘一まとめにしているというのか、老荘の言葉一つにつき各論的に古今のあるシチュエーションを提示して、そこに守屋さんがこれだと思った老荘思想や戦国武将また企業家やスポーツ選手の対処例、体現例を紹介するという形式が取られています。
 福永先生の 「荘子―古代中国の実存主義」(中公新書)も先日読んだのですが、こちらは荘子のみに集中して、非常に深い所まで掘り下げて哲学的に解釈されている書物だと思いますので、より本格的な解説書をお探しの方にはお勧めです。本書は多忙な現代人に読みやすいようにと配慮する余りにか、深遠な思想を扱いながら全体にかなり軽い印象になっているきらいがあると思いますので・・。

 最後に、わたしは黒田官兵衛のファンなので、「腹立てずの会」という、父親に似て見識が高く(宇都宮鎮房謀殺のことだけはこの親子の汚点だと思いますが)、自由にお互いを批判し合う会合を月に一回もった息子・長政の言葉から引用して、現政権の在り方に対する批判としたいと思います。今は民主主義の世の中なので、戦国時代や江戸時代と異なり主権者は国民なのですが、その辺りはまあいいっこなしで、リーダー論として優れているということで・・。議席数を振りかざして民意を蔑にする政府に対して連日粘り強くデモをされている皆さまには深い敬意を表します。

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