昭和陸軍全史 1 満州事変 (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 昭和陸軍全史 1 満州事変 (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 川田 稔 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062882729 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
著者は以前の著作「昭和陸軍の軌跡」において、満州事変以降の陸軍を主導した軍人たち、中でも永田鉄山、武藤章、田中新一という3名の軍人の思想、政策構想に焦点を当てて、昭和陸軍を描くという試みを行っていたが、視点がユニークで大変興味深く読めた。今回は昭和陸軍全史ということで、恐らく三部作になるのであろうが、前作の内容を更に詳細にして事変、戦争を軸に、軍人たちの思想も解説するという形で通史を叙述しており、一冊目の本書は満州事変勃発から五・一五事件、国際連盟脱退辺りまでを取り上げている。
満州事変時の軍部トップ(陸軍大臣、参謀総長等)と後に昭和陸軍の中心となっていく中堅幕僚層に属する軍人たちの思想や行動、時の政権の動き、更には国際連盟を中心とした海外の動きも含めて詳しく述べられていて全体像が理解しやすい内容になっている。文中に登場する人物の写真も多く掲載され、地図なども適宜掲載されており、前作より大部であるが読み易さも増しているように感じた。本書を読むと、後の日中戦争、更には太平洋戦争に至る「昭和陸軍」のスタートが満州事変であったことがよく理解出来る。
満州事変時の軍部トップ(陸軍大臣、参謀総長等)と後に昭和陸軍の中心となっていく中堅幕僚層に属する軍人たちの思想や行動、時の政権の動き、更には国際連盟を中心とした海外の動きも含めて詳しく述べられていて全体像が理解しやすい内容になっている。文中に登場する人物の写真も多く掲載され、地図なども適宜掲載されており、前作より大部であるが読み易さも増しているように感じた。本書を読むと、後の日中戦争、更には太平洋戦争に至る「昭和陸軍」のスタートが満州事変であったことがよく理解出来る。