(099)お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書) の感想

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参照データ

タイトル(099)お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書)
発売日販売日未定
製作者荒俣 宏
販売元ポプラ社
JANコード9784591150948
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 伝承・神話

購入者の感想

 本書は、私が敬愛する荒俣さんの、恐らくは最後になるであろう・・・本人の弁・・「お化け学」の出版物なんだそうです。
 「怪奇文学大山脈」(全3巻、東京創元社)で全精力を使い果たし、
 出がらし状態になっていた荒俣さんにわずかに残っていたのは、中国の怪談への興味、
 そして、仕事上のことで、乱歩の「怪談入門」の恋愛怪談の章で、「情史類略」が熱っぽく語られているのを発見し、
 日本の怪談を語るうえで、最もっ重要なのは西洋ではなくて、中国だということに気付き、これが本書を書く根幹になっているのです。
 確かに、乱歩の「恋愛怪談」は、読みたくても本がなかったので、私自身もほとんどパスしていました。
 中国の怪談を語るうえで欠かせないのが、「剪燈新話」その中でも最も有名な話が「牡丹燈記」!
 このお話が、日本をはじめ、アジア各国に伝わります。
 日本では、浅井了以がこの話を基に、これを舞台を日本に移し変え、「牡丹灯籠」を著します。
 さらに、上田秋成は、これをもとに怪談の傑作「浅茅が宿」を著し、
 明治に入り、三遊亭圓朝の落語「怪談牡丹灯籠」へと進化していきます。
 言い忘れましたが、「聊斎志異」のお話も当然出てきます。また、話を進めるうえで必要なサンプル作品も紹介されています。
 そして、最後には平田篤胤が出てきて、イザナギの呪縛が解けて、霊との共同生活が遂に実現という結論になるのですが・・・・。
 読了して、理論的には承服しかねる部分もありますが、まさに荒俣ワールド全開といった感がします。
 私が荒俣さんの存在を最初に知ったのは、確か「ダンセイニ幻想小説集」の解説だったと記憶していますが、
 これは凄い人が現れたな、と思いました。以後、荒俣さんの興味は、怪奇幻想だけでなく、広く博物学的な世界に突入していくのですが、
 これが最後の「お化け学」・・・多分幻想怪奇のことだと思いますが・・・の著作になるというのは非常にさびしい限りです!!
 内容は、比較的解りやすいと思いますが、新書にしては、少しヴォリュームがありますから、
 へこたれないで読み続けてください!!
 

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