日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑 日本に分布する全33種・亜種を網羅した初めての図鑑! LOACHES OF JAPAN の感想
参照データ
タイトル | 日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑 日本に分布する全33種・亜種を網羅した初めての図鑑! LOACHES OF JAPAN |
発売日 | 2017-03-01 |
製作者 | 中島 淳 |
販売元 | 山と渓谷社 |
JANコード | 9784635062879 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物 |
購入者の感想
ニシシマドジョウを飼育している関係で、その他のドジョウについても知りたいと思い購入。
一通り読んでみた感想は、筆者らのドジョウ愛にあふれた一冊であるということ。水槽で見ているだけでは分からないドジョウの形態についても詳しく知ることができ、さらに日本全国に生息するドジョウたちについても同様に勉強することができた。特に、飼育下ではまずお目にかかれないドジョウの成長過程についての写真と説明は、一読に値すると思う。
また、ドジョウの区別、生態についてはいまだに分からないことが多い一方で、少なくない数のドジョウが絶滅の危機に瀕しているという現実を知ったことも大きな収穫だった。直接ドジョウの生育環境を改善するために自分にできることはほとんどないが、飼育者の端くれとしてまず知ることができ、問題意識を持つことができた。もし身の回りで環境が悪化されるようなことがあれば、できるだけのことをしてあげたいと心から思った。
門外漢であるので、遺伝子解析のことについて詳細を理解できたわけではないが、ミトコンドリアDNAによる解析結果を説明している文章において、「遺伝子を取り込むことで」という表現があるためにミトコンドリアDNAに含まれる遺伝子を取り込む、という誤解を招く恐れがあると思った。おそらくミトコンドリアDNAの解析はあくまで近縁であるかどうかの指標であり、本質はもともと近縁であった種が遠縁となる過程で交雑が起こり、その結果生存に有利な遺伝子(ゲノムDNAに起因する)が新しい種に持ち込まれた、というのが筆者らの主張と近いのではないだろうか。ミスリーディングになってしまったら申し訳ないが。
最後に、ドジョウは池や河川の身近な環境にいて、不思議な魅力を持つ魚でありながら、明らかになっていない部分も多く、研究もまだまだ道半ばであることが分かった。筆者らを代表とする熱い研究者たちによる研究が引き続き行われ、ドジョウだけでなく生物多様性を維持する価値、そしてその方策が確立されることを期待する。
一通り読んでみた感想は、筆者らのドジョウ愛にあふれた一冊であるということ。水槽で見ているだけでは分からないドジョウの形態についても詳しく知ることができ、さらに日本全国に生息するドジョウたちについても同様に勉強することができた。特に、飼育下ではまずお目にかかれないドジョウの成長過程についての写真と説明は、一読に値すると思う。
また、ドジョウの区別、生態についてはいまだに分からないことが多い一方で、少なくない数のドジョウが絶滅の危機に瀕しているという現実を知ったことも大きな収穫だった。直接ドジョウの生育環境を改善するために自分にできることはほとんどないが、飼育者の端くれとしてまず知ることができ、問題意識を持つことができた。もし身の回りで環境が悪化されるようなことがあれば、できるだけのことをしてあげたいと心から思った。
門外漢であるので、遺伝子解析のことについて詳細を理解できたわけではないが、ミトコンドリアDNAによる解析結果を説明している文章において、「遺伝子を取り込むことで」という表現があるためにミトコンドリアDNAに含まれる遺伝子を取り込む、という誤解を招く恐れがあると思った。おそらくミトコンドリアDNAの解析はあくまで近縁であるかどうかの指標であり、本質はもともと近縁であった種が遠縁となる過程で交雑が起こり、その結果生存に有利な遺伝子(ゲノムDNAに起因する)が新しい種に持ち込まれた、というのが筆者らの主張と近いのではないだろうか。ミスリーディングになってしまったら申し訳ないが。
最後に、ドジョウは池や河川の身近な環境にいて、不思議な魅力を持つ魚でありながら、明らかになっていない部分も多く、研究もまだまだ道半ばであることが分かった。筆者らを代表とする熱い研究者たちによる研究が引き続き行われ、ドジョウだけでなく生物多様性を維持する価値、そしてその方策が確立されることを期待する。