カント入門講義: 超越論的観念論のロジック (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | カント入門講義: 超越論的観念論のロジック (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 冨田 恭彦 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480097880 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
カントの超越論的観念論を、「ですます調」の丁寧な語り口で案内する入門書です。この本の内容は大きく分けると3つに分かれています。まず、第1章でカントの生涯と当時の時代背景が説明されています。第2章から第6章まででは、カントの超越論的観念論の基本的な考え方が説明されています。第7章と第8章では、第6章までの内容を踏まえた発展的な問題が取り扱われています。
カントのいう「物自体・触発・表象」の枠組みは、ロックのいう「物そのもの・触発・観念」の枠組みを受け継いだものだと冨田氏は仰います。カントは仮説や憶測を嫌ったので、物自体を科学的に究明できるものとはみなしませんでした。そのため、物自体は認識不可能だとカントは考えました。私はこの本に加えて『カント哲学の奇妙な歪み』も読みましたが、このようにして物自体の起源を解明したことが冨田氏の大きな業績かと思いました。
冨田氏はこの本でカント哲学をわかりやすく講義しつつも、カント哲学を普遍的なものだとは考えておられません。カントに賛同しない立場からのカント入門書という印象を受ける一冊でした。
カントのいう「物自体・触発・表象」の枠組みは、ロックのいう「物そのもの・触発・観念」の枠組みを受け継いだものだと冨田氏は仰います。カントは仮説や憶測を嫌ったので、物自体を科学的に究明できるものとはみなしませんでした。そのため、物自体は認識不可能だとカントは考えました。私はこの本に加えて『カント哲学の奇妙な歪み』も読みましたが、このようにして物自体の起源を解明したことが冨田氏の大きな業績かと思いました。
冨田氏はこの本でカント哲学をわかりやすく講義しつつも、カント哲学を普遍的なものだとは考えておられません。カントに賛同しない立場からのカント入門書という印象を受ける一冊でした。