サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 の感想

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参照データ

タイトルサピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福
発売日2016-09-16
製作者ユヴァル・ノア・ハラリ
販売元河出書房新社
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » 歴史・地理 » 歴史学

購入者の感想

著者のハラリをWikipediaで検索すると、「影響を受けた人物」にジャレド・ダイヤモンドと記載されている。ハラリ本人が明言したのか、どこかから転載したのか、それは確定はできないが、「ありそうなハナシだ」という気がする。両者とも博士号を持つ研究者肌のようで、研究論文の量産はお手の物。非常に綿密な調査に基づいて、膨大な量の資料を準備し、読者を圧倒する。部分的に異論があったとしても、同様の調査結果や大量の資料を提示できない限り、中途半端な反証など吹き飛ばされてしまう。

それはそれで立派なことなのだが、両者とも(特にハラリは)読者をぐいぐい引き込む力が希薄なのが残念。東奔西走して蒐集しまくった資料をモザイク模様の如くに積み上げた「大作」を読んでも、砂を噛むような味気なさで、楽しくも何ともない。しかもその分量が莫大なだけに、うんざりさせられる。

この「サピエンス全史」も、ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」も、開始から20%くらいで嫌気がさしてしまう。せっかく買ったのだからせめて最終章だけでも目を通しておこうと思っても、徹頭徹尾の無味乾燥ぶりで「カネ返せ!」という気までしてくる。

翻訳が拙いために興味を削がれてしまうこともよくあるが、この「サピエンス全史」が面白くないのは明らかに原作の内容が原因。具体的な例を挙げれば、独自の科学的考察や方法論で「ははあ、なるほど!」と感嘆させる説得力が完全に欠落していること。冗長な前置きが終わると、いきなり結論が出てくる。「あんた、そりゃ主観だろ?」という箇所が連発。帰納的に誘導しようとする魂胆が明白だが、もしかすると本人はそこに気づいておらず、まさに「頭隠して尻隠さず」。

ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグ辺りが感激したのは本当かも知れないが、マイケル・サンデルが絶賛したというのは信じられない。軽く社交辞令で褒めたくらいでしかあり得ない。これはもちろんハラリが嘘をついたのではなく、出版社の「羊頭狗肉」。ただ「読んだことがある」を自慢したい閑人ならともかく、真摯な「知」の求道者の方にはお薦めできません。

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