トカレフ ブルーレイ&DVD セット (初回限定生産/2枚組) [Blu-ray] の感想

最近、小規模な映画に出続けているニコラス・ケイジですが、その中では一番シナリオがまともな作品です。

しかし、アクションのカメラワークが野暮ったく、ドラマ部分の演出が安っぽく作品自体の出来はかなり悪いです。

当初は「トレーニング・デイ」「エンド・オブ・ホワイトハウス」「イコライザー」のアントワーン・フークア監督、ニコラス・ケイジ主演で

企画していました。フークア監督が降板し、本作がハリウッドデビューのスペイン人パコ・カベサス監督が起用されます。

この人選が本作の失敗の原因だと思います。

メイキングでカーチェイスの撮影中に監督が寝たふりをしながら「退屈だよ、自分の仕事に戻りたい、少しの辛抱」と

冗談交じりに発言していましたが、たぶん本心だと思います。スペインでパロディ映画ばかり作っていた監督が

突然ハリウッドからニコラス・ケイジ主演でオファーがきたら断れなかったのでしょう。

本作を見ているとニコラス・ケイジもプロデューサーで参加した「ゴッドファーザーPART3’’」を思い出しました。

つまり因果応報です。ネタバレになるのでここまでにしておきます。

個人的には納得がいくエンディングでしたが、人によっては拍子抜けな展開ですので批判が多い作品だと思います。

アクションもドラマも上手いアントワーン・フークア監督で見たかった作品です。

簡単に言うと「因果応報」の物語。

一人娘の突然の死の真相と、犯人究明に迫れば迫るほど自身の過去の罪とも対峙しなければならなくなり、その執拗でかえりみない暴走行動が更なる悲劇と絶望を引き寄せるなんとも意気消沈してしまう展開です。

でも、それなりの面白さと緊張感を保ちつつ進むので、見終えた印象はそう悪くなかったですケドね。

今作といい、「ブレイクアウト」「ハングリーラビット」「ゲットバック」「フローズン・グラウンド」など、最近のニコラス・ケイジてば、大作路線から外れ小粒の犯罪映画(←個人的には、このタイプの作品が一番楽しめますが)に出捲りまくってますね。※ジェイソン・ステイサムも似た位置に居ると感じる。

同様に小粒だが、メル・ギブソン主演の「キック・オーバー」ほどの完成度の高さを誇る作品が無いのが残念で、どうもツライとこなんですよねぇ

今後もなんとかひと頑張りして頂き、小粒でも全然かまわないので、「良い脚本」選びに精を出してほしいです。これからも作品を追いかけますので。