お寺さん崩壊 (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトルお寺さん崩壊 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者水月昭道
販売元新潮社
JANコード9784106106965
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

 本書は、有名な「高学歴ワーキングプア」の著者が書いた本です。著者は大学で研究活動に携わっていた人なので、自ら体験し、よく理解している「高学歴ワーキングプア」の実情を活写して、その実情を多くの人に広め、悲惨な状況を糾弾し、社会の共通認識としました。
 そして本書は、もともと僧籍のある著者が、事情があって地方の「お寺さん」に帰任したことにより経験している実情を書いた本です。

 本書を読むと、(a) 昼も夜もなく、365日、死人が出れば駆けつけなければならないという過酷な勤務条件、(b) 「坊主丸儲け」とうような余裕のある金銭事情でないこと、(c) 檀家数の減少により、一層厳しい寺院軽軽を余儀なくされていること、等が書かれています。
 前著同様、自らの経験をベースに記述した本なので、相当の説得力があり、肌感覚で実情が窺い知れます。

 仏教界についてカネの面から書かれた本は、私はこれまで読んだことがなく、興味と関心を持って読ませていただきました。
 ただ、本書に書かれているような苦境に陥っていることは、過疎による檀家減少等どうしようもない要因もありますが、一方、仏教離れは葬式仏教に安住していた多くの「お寺さん」の自業自得という気もします。
 そのあたりの「お寺さん」の改革の方向についての考察・記述が少ないことについては若干不満が残りますが、一定参考になる本であり、一読の価値はある本と思います。

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