いま、殺(や)りにゆきます―RE‐DUX (光文社文庫) の感想

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参照データ

タイトルいま、殺(や)りにゆきます―RE‐DUX (光文社文庫)
発売日販売日未定
製作者平山 夢明
販売元光文社
JANコード9784334748067
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » SF・ホラー・ファンタジー

購入者の感想

 他社で刊行された『いま、殺りにゆきます』『いま、殺りにゆきます2』の2冊から自選した31篇に、書き下ろしの3篇を追加した再編集版です。シリーズの愛読者はご注意を。

 平山夢明は、当代のいわゆる実話系ホラー短篇の書き手の代表格です。会話雑じりの軽妙な文体が独得。雑誌のインタビュー記事を連想させる。ひまつぶし本として安定した出来。

 ここでは超自然の恐怖はいっさい取りあげられていません。理不尽な他人の狂気の犠牲となる都会の単身生活者たち。なんとも後味の悪い話ばかり。この世でいちばん怖いのは、常軌を逸した人間の心の深い闇です。

 私の場合、実際にはそんなに怖いと感じなかったけれど、残酷な描写に生理的な嫌悪をいだき、途中からパターンがわかってきて、いささかげんなりした。エグいのは苦手です。たぶん、読者を選ぶのではないかしら? 

 表題作は、1970年代にヒットしたオリビア・ハッセー主演のホラー映画から着想を得たのだと思います。上手にショートショートにまとめていて感心しました。

 町山智浩の解説はユーモラスに作者の人となりをスケッチしていますが、平山夢明のスタイルを模写しているところがなかなか洒落ています。おもしろい。

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