日本の禍機 (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトル日本の禍機 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者朝河 貫一
販売元講談社
JANコード9784061587847
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢

購入者の感想

残念ながら、この本は愛国者朝河貫一の予言の書になってしまった。
清国の領土保全と機会均等を日露戦争の開戦理由とし、欧米諸国を味方にし幸いにして勝利した日本。
しかし朝河は、日本が戦後「露国よりも一層偽善にして、一層強大なる平和攪乱者というべし」と世界に認識されていること、日本の戦前戦中と戦後の立場の激変に驚き憂いている。

曰く、当時の欧米人の多くが「日本が行く行くは必ず韓国を併せ、南満州を呑み、清帝国の運命を支配し、かつ手を伸べてインドを動かし、フィリピンおよび豪州を嚇かし、かねてあまねく東洋を威服せんと志せるものなり・・・」と、そして行き着く先は米国との戦争であり、その時国際的正義は日露戦争とは逆に米国、清国側にあることが何よりも恐ろしいと、日本が正義の賊、進歩平和の破壊者たるの地位に陥るのを目撃するに忍びないと。

本書は、前半と後半に分かれ、前半は日露戦争後の世界の厳しい日本への認識と警戒について、詳細な分析を、後半は鋭い米国の分析(国柄や国民の気質、建国以来の対外政策の特徴、大統領の性格や政策など)を、明治41年にして的確すぎるほどの分析に読みながら終始唸らずにはいられなかった。

最後に言う。
支那へ旧外交(侵略主義、閉鎖主義)で臨めば米国は敵になる、新外交(機会均等、自主独立)で臨めば米国は味方になる。
「彼(米国)の方針は不動なるがゆえに(新外交)、以上の大事を決するの自由と責任とは彼にあらずして我にあるなり。(中略)これ恐らくは第二十世紀の最大問題なるべく、少なくとも日本国史上の最大事件なるもののごとし。ゆえに余はあえて今日を指して日本の最危機となさざるを得ざるなり。」

必読の書なり!

以下、目次。

前編 日本に関する世情の変遷
日本に対する世評の変化
満州における日本に対する世の疑惑の由来
反動説−感情的反対者−利害的反対者/東洋における世界の要求/1899年以前/1899年以後
日露戦争以後

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