新訳ラーマーヤナ 4 (東洋文庫 829) の感想

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タイトル新訳ラーマーヤナ 4 (東洋文庫 829)
発売日販売日未定
製作者ヴァールミーキ
販売元平凡社
JANコード9784582808292
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » アジア文学

購入者の感想

 主人公ラーマと弟ラクシュマナはシータ奪還の援軍を得るため、ヴァーリン・スグリーヴァ兄弟による猿王国キシュキンダーの王位争奪戦に介入します。
この兄弟猿のうち現在旗色の悪い弟のほう、ラーマの同盟者となるスグリーヴァの重臣が、かの世界で2番目に有名な猿ハヌマトなわけですが、彼の後の活
躍を思うと嘘のように地味な登場を飾ります。
 さて、ラーマは猿の獅子ヴァーリンを狙撃により倒し、スグリーヴァ陣営に勝利をもたらします。普通ならここで猿軍団の助力を得て、シータ探索開始と
なるところですが、雨期到来により行動不能・・・話の流れをぶった切ってまで、なに、この妙なリアリティ! あげくにこの休養期間中、スグリーヴァは
酒色(殺した兄から奪った兄嫁含む)に溺れ、シーター探索開始を遅らせたためラーマの怒りを買い、ラクシュマナによる猿王宮への殴り込みといった事態
を招きます。そんな猿王をいさめるハヌマト、日本でいうと太田道灌とか立花道雪のような立場でしょうか?猿王への怒りに燃えながらも女性(猿だけど)
のいる後宮には決して立ち入らないラクシュマナのケダモノ相手にも発揮される慎み深さも光ります。
 盟友の怒りに触れ、気を取り直したスグリーヴァは、別猿のような的確さで家臣たちを四方に派遣します。兄に追われて世界中を逃走していた関係で妙に
地理に詳しくなっている猿王、人生何が役に立つかわかりません。探索に派遣され、主君と離れたハヌマトはまさに解き放たれたように活躍を始めます、彼
がドヤ顔で飛翔能力を自慢したところで、続く次巻。

 私がこの猿の英雄と初めて出会ったのは「おひさまをほしがったハヌマン」という絵本ででした。本書中にもそのエピソードにつき(極めて)簡潔に述べ
られておりましたので、なにやら子供時代の古い友人に久しぶりに再会したようななつかしい気分で読了いたしました。

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