ビューティフル・マインド (字幕版) の感想

経済学・数学の天才として名を上げながらも、統合失調症を患ってしまう数学者の半生を描いた作品です。
何度もくじけそうになりながら夫を支え続ける妻の姿を見て、身につまされました。
私の夫はもちろん天才ではありませんが、子どもが産まれてからウツを発症して退職し、現在は痴呆と原因不明の腹痛に悩まされています。
毎朝、仕事前に夫を車で施設に送り届けるような生活を続けていると、人が生きていく目的とは何なのか、一体何が幸せなのだろうかと、しみじみ考えてしまうことがあります。

この映画を観て、共感から来る悲しみに震え、それでも生きていくことの喜びに涙しました。
人生の意味が、ほんの少しだけですが、分かったような気がします。
成果の有無にかかわらず自分ができることを真っ当することの大切さや、家族はどこまでも家族であり続け決して裏切らないこと。
そんな当たり前のことを再確認しました。
生きる勇気を与えてくれる、素晴らしい映画です。

本作品は、2001年の作品で、かつて劇場で鑑賞したが、とても印象の強い作品であったので、プライムビデオにラインナップされているのを機に、再鑑賞してみました。

作品そのものは、米国アカデミー賞で作品賞その他３つの賞に輝いているので、劇場公開時に鑑賞したという方も多いのではないでしょうか。

主人公は、のちに「ゲーム理論」でノーベル賞を受賞することになる、数学者、ジョン・ナッシュ。
彼が、大学院に入学するところから物語は始まる。
やがて、伴侶も得て、順風満帆に見える彼の人生だったが、彼は自分でも気づかないある特性があり、やがてその特性に苦しむこととなる…。

それまで、一種の青春物語のような展開であったのが、その特性が前面に出てくるところから、流れは全く変わってしまします。
私は、当時、それを知ったとき、大きな驚きを隠すことはできませんでした。

改めて作品を鑑賞してみると、その特性を考慮して、撮影がされているのに気づかされます。

まだ、未鑑賞の方は、その特性が明らかなる後半の展開は知らずに鑑賞する方が、より一層、作品を楽しむことができると思います。

最後まで観ると、題名の「ビューティフルマインド」という言葉が耳に響きます。
美しい心とは何なのか、是非、作品から読み取っていただきたい、インパクトの強い作品です。