年譜でたどる 琳派400年 の感想

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参照データ

タイトル年譜でたどる 琳派400年
発売日販売日未定
製作者奥平 俊六
販売元淡交社
JANコード9784473039880
カテゴリアート・建築・デザイン » 芸術一般 » 美術史 » 東洋・日本美術史

購入者の感想

昨年は「琳派400年」を記念して様々な展覧会が催されたが、これを機に、改めて琳派を見直した人、或いは新たに興味を抱いた人も多かったのではなかろうか。
本書は、そんな方達を対象とした「見て楽しい、読んで解り易い」ハンド・ブックであり、多くの琳派愛好者にお勧めしたい一冊である。

さて「琳派400年」とは言うものの、その原点は何処まで遡る事が出来るのであろうか…?
そこで本書は「琳派とは何か」「琳派の系譜」について解説した上で、第一章「宗達と光悦がいた時代」、第二章「光琳と乾山-町衆文化の精華」、第三章「宗達・光琳風意匠の展開から“尾形流”の成立へ」、そして第四章「近代の琳派-発見と継承、そしてデザイン」に至り、琳派400年を全てカバーしている。
本書を読めば、琳派の歴史、流れと展開が良く解るであろう。

だが、本書の特色は、やはり「知識としての琳派」ではなく「感じる為の琳派」…即ち、その独特の芸術性を実感出来る事なのではなかろうか。
図版の紹介を中心とした本書は、著名な作品の数々を全てカラー写真で紹介しており、絵画、染色、工芸に至るまで、その装飾性の豊かさを満喫出来る。
勿論、全てを網羅している訳ではないが、実際の作品に触れる事に依って琳派が明らかに「狩野派」や「土佐派」とは違う事が理解出来るであろうし、本書の価値の高さもその具体性にあるように思う。

尚、非常にコンパクトな書籍なので、予てより琳派に造詣が深い方は若干の物足りなさを感じるかもしれないが、そのような方にとっても第四章は新鮮に違いない。
何しろ「琳派400年」と題しているだけあって、“現代の琳派”にまで言及しているのだ。
加山又造や松田権六の作品を観ると、成程、そこに「琳派」の息吹を感じる事が出来るし、琳派が決して江戸時代を以て終結した訳ではない事を知る事が出来る。
特に、デザイン分野で幅広く活躍した田中一光が琳派の影響を受けた事はよく知られるものの、実際には、オリンピック関連の仕事、或いはデパートの包装紙や数々のシンボルマークを考案した彼と「琳派」との共通点を見出せないと言う方もいるのではなかろうか。

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