フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠 の感想

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参照データ

タイトルフードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠
発売日販売日未定
製作者マイケル モス
販売元日経BP社
JANコード9784822250096
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

自分は甘党ということもあり砂糖の摂取には目をつぶっていましたが、本書を読むとさすがに無視できなくなりました。約一ヶ月まずは、精製糖の摂取を無くしてみています。不思議なもので、今まで食べたくて仕方が無かった”人工的な”甘いものを食べなくても全く平気になりました。お金、時間と健康を余計な食物に無駄使いしなくなった感があります。

本書の舞台である米国Amazonでは毎週のように新しいダイエット法の本がベストセラーの上位に入ってきては消えていっています。それでもなぜ米国の肥満率はいっこうに下がらないのか?私の長年の疑問でした。本書は「砂糖、塩、脂肪」による食品の中毒性の観点からその理由に切り込んでいきます。

また、中毒性食品企業の進出が急速に進んでいる中国では、既に肥満の人がやせの人の数を上回っているというのも、たった一文ですがなかなか衝撃的でした。

ビジネスドキュメンタリーがお好きな読書家の方は間違いなく楽しめる本です。ただし、米国居住者向けに書かれている点、日本では従来から食品添加物への警戒心が高い点から、後半から内容に”もう満腹”と感じるかもしれません。

原題は表紙にもあるが『SALT,SUGAR,FAT』で、訳せば「塩、砂糖、脂肪」となる。本書でとりあげられるのも、この三つ。ただし、この三つ、人体に必要不可欠なものでもある。過剰な摂取で、健康に悪影響が出るから問題なのだ。

「砂糖」「脂肪」「塩」の順番で書かれている。ただ、本書が問題にしているのは、各々直接的な摂取ではなく、加工食品や清涼飲料水もしくは炭酸飲料水という形で体内に入ってくる場合である。何度となく触れられるが、この三つ、人間の脳に快楽をもたらす。摂取した時の脳の画像データだけを見てみると、薬物と同じと考える精神科医もいるほど。
1980年代以降、食品メーカーは肥満・虫歯などの急激な増加に対する世論の動向に目を配りながらも、ウォール街の投資家たちが求める売り上げ増に応えるため、基本的にはこの三つを増量することによって、売り上げを伸ばす。一方で、医療関係者だけでなく、企業内の重役や研究者のなかにも、この動向に批判的な人が少なからずいたことも指摘されている。この三つを減少させることが難しい理由として、味だけでなく、舌触りや風味・香りなど多様な形で人間の食欲を刺激する役割を持つことがあげられている。著者自身が幾度か体験した、そういった減塩などの商品に対する感想を読む限り、なかなか減少という道筋は難しそうに見える。

それと、この手の加工食品などが引き起こす問題はアメリカだけですまないことも重要だろう。発展途上国のなかで経済伸長が著しいインドなどへの進出についても触れられている。しかも、加工食品は安価で便利である。だからこそ、経済的なレベルで見ると、決して高いレベルでない人に選択されている。そして、肥満・糖尿・高血圧などのリスクをかかえることになる。肥満が富裕と結び付くイメージが以前はあったものの、現在においては、それが逆転している。また、本書の中に出てくる企業の重役たちの少なくない部分が、自社の製品の摂取を避けていることを、脳裏に刻む必要もあるだろう。

クラフト(KRFT)、ハーシー(HSY)、ケロッグ(K)を投資対象として考えているので、とても参考になりました。

クラフトがタバコ会社傘下にあった頃の話が詳しく書かれています。この頃に学んだはずのブランディングのノウハウは、今も同社に根付いているのでしょうか?ここ3年は業績伸び悩んでいますね。利益率は相変わらずいいですけど。

タバコと、「塩、砂糖、脂肪」からなるジャンクフードと比べていますが、両者の決定的な違いは、人はタバコは辞めることはできても(難しい人も多いでしょうが)、食べることはやめられないということ。

徐々に豊かになりつつも、日々の糧を稼ぐのにやっとこさの、発展途上国の、あるいは先進国の「中の下」くらいの人にとって、お手軽で満足の得られるジャンクフードは、手放したくても手放せないものでしょう。自分で素材を買ってきたほうが栄養があることが理屈で分かっていても。

これから豊かになっていくと言われている東南アジアやアフリカの人々を「至福」にしていくのは、これら欧米系の食品ジャイアントか、あるいは、インドネシアのインドフード(INDF)やフィリピンのROBINA(URC)などのローカル系か、あるいは、これら食品メーカのブランドを否定してプライベイトブランドを押し付けるセブンのような小売なのか。

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