月刊MdN 2016年 3月号(特集:漫画家が発明した表現30 漫画を漫画たらしめるもの) の感想

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参照データ

タイトル月刊MdN 2016年 3月号(特集:漫画家が発明した表現30 漫画を漫画たらしめるもの)
発売日2016-02-05
販売元エムディエヌコーポレーション
JANコード4910020310361
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » デザイン » グラフィックデザイン

購入者の感想

本号特集の主旨は、「漫画の表現技法に注意して読むと漫画がより面白くなる」とのことらしいです。
時期的に「浦沢直樹の漫勉」に影響を受けた企画なのでしょうか。あれは漫画家がやったことで非常に素晴らしいものとなりました。
「神は細部に宿る」とは漫画にも当てはまるでしょうが、読者にそれを意識させてしまうことは、作者の失敗のように思います。
面白い!と思ってもらうためにせっかく技巧を尽くしてくれているのです。まずはそれに身をゆだね、作者の意図に振り回されてみてはいかがでしょうか。
そのうえで、なぜこんなに面白いのだろう、と思った時には、表現技法に注目するのもありかもしれません。

ただ、その視点ならば、紹介している表現技法は、種類、テキストともに力不足です。各項目は体系的ではなく思い付きのようにも見え、さらにライター間のレベル差が大きすぎます。「漫画家が発明した表現30」、「漫画を漫画たらしめるもの」を期待して読むと拍子抜けします。「漫勉」にははるかに及びません。
少女漫画についてそれは顕著であるように思います。そもそも少女漫画が少なすぎますが。
谷川史子先生を私は敬愛してやみませんが、「漫画に日常表現を取り入れた」元祖のように紹介されたら、谷川先生もびっくりすることでしょう。いわゆる第3世代ではそんなの当たり前でしたし。高野苺の「瞳」表現にしても同様です。あまりにも少女漫画の歴史を知らなすぎる、と言わざるを得ません。
江口寿史の「鼻の穴」については浦沢直樹も言ってました。
いしかわじゅん氏のインタビューは、「漫画を面白く読むためには、いろんな種類の漫画をたくさん読むこと」、漫画を読むことで生活できるならともかく、一般人は少ない余暇時間を楽しむために漫画に割くのであり、練習のために漫画を読む時間はありません。あと氏は大友克洋を神格化しすぎです。
知ったかぶりが作った、知ったかぶり養成雑誌、といっては言い過ぎでしょうか。「この漫画が面白い」ではなく、「この漫画の本当の面白さ理解してる俺カッコイイ」という残念な人ができあがる感じです。あまりすっきりしませんでした。

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