駆込み女と駆出し男 [DVD] の感想

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原作未読。映画観た後にそっこー買いましたけど(笑)
いいですねぇ、人情モノの時代劇♪　今回はとってもセンスの良さを感じました。
女からは離縁の許されなかった時代に已むに已まれぬ事情で寺へ駆け込む女たちのお話―現代でいうところの、DV、パワハラ、モラハラという男尊女卑の時代事情が根本にあるので、どうしても重くなりがちなところ、その深く骨太な内容とコメディタッチの面白みの絶妙のバランスが際立ちました。（その点、大泉洋さんのキャスティングもniceな感じ）
啖呵をきるセリフ回しや、尼寺での診察（騒動）シーンなど、たいへんテンポの良い作品で、小気味良く観られます。
当時の政治情勢、流行り、風俗、化粧など、時代考証も手抜きがなく、程よいリアルさがありました。（リアルさを過剰に追及すると、やりすぎ感が目立って観ている側にあまり印象良くなかったりしますが、今回はしっくりしていました。）
江戸時代の庶民の女性も、結婚すれば眉を抜きお歯黒をしますが、そんな風俗もしっかり演出。
原作とは色々設定を替えているようですが、未読だったため特に不自然さは感じませんでした。一見軽そうに見える大泉さんの役も、「当時そこまで知ってたのかなぁ」と思うくらい西洋医学の知識もあるリベラルな医者見習いで、心根のすっきりした観ていて気持ちの良い役柄でした。
戸田さんとの関係性もピュアだなぁ~って微笑ましく、元夫たちも最後は潔く、全体的には（重い主題のハズなのに）後味の良いほのぼのした作品。
「蜩ノ記」、「花よりもなほ」、「あかね空」などの作品が好きな人は、きっとこれもイケる気がします(笑)