国際法入門 逆から学ぶ の感想
参照データ
タイトル | 国際法入門 逆から学ぶ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山形英郎 |
販売元 | 法律文化社 |
JANコード | 9784589035868 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 国際法 |
購入者の感想
「逆から学ぶ」というのは、法学部以外の学部学生のために、普通の入門書・体系書とは逆に「国際法総論は、後回しにして」「『具体から抽象へ』と叙述(p.ii)」したとの趣旨。私も法学をきっちり勉強していないため、こういうスタイルの方がなじみやすい。
条約等の成立経緯 ― 例えば、国際連盟で「経済制裁に大きく傾斜した体制が用意されたのは、第一次世界大戦における対ドイツ経済封鎖が奏功した経験に基づく(p.29)」とか、日本の刑法に受動的属人主義が導入されたきっかけとなったTAJIMA号事件(p.81)とか、難民条約が「冷戦初期の東西対立の中、社会主義国家となった東欧諸国から西欧に亡命する人々を念頭に西側主導で作成された(p.195)」ものであるとか ― が丁寧に叙述されていて良い。
章頭に導入のQuizがあるなど読者(学生)の関心を引こうとする工夫も。章末には、国際法の専門用語を穴埋めする空欄付きのSummaryがついており便利である。
一方、総じて紹介される条約や制度がどの程度の国々によって支持されているのか、つまり、どの程度の有効性があるのかが分かりにくい。また、参照ページのガイド(→p.××)や索引がないのがとてもとても残念。
条約等の成立経緯 ― 例えば、国際連盟で「経済制裁に大きく傾斜した体制が用意されたのは、第一次世界大戦における対ドイツ経済封鎖が奏功した経験に基づく(p.29)」とか、日本の刑法に受動的属人主義が導入されたきっかけとなったTAJIMA号事件(p.81)とか、難民条約が「冷戦初期の東西対立の中、社会主義国家となった東欧諸国から西欧に亡命する人々を念頭に西側主導で作成された(p.195)」ものであるとか ― が丁寧に叙述されていて良い。
章頭に導入のQuizがあるなど読者(学生)の関心を引こうとする工夫も。章末には、国際法の専門用語を穴埋めする空欄付きのSummaryがついており便利である。
一方、総じて紹介される条約や制度がどの程度の国々によって支持されているのか、つまり、どの程度の有効性があるのかが分かりにくい。また、参照ページのガイド(→p.××)や索引がないのがとてもとても残念。