映画探偵: 失われた戦前日本映画を捜して の感想

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タイトル映画探偵: 失われた戦前日本映画を捜して
発売日販売日未定
製作者高槻 真樹
販売元河出書房新社
JANコード9784309276601
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

今から24年前、『忠次旅日記』が発見された時の驚きと興奮を、
今も忘れることができない。
小津作品に触発されて、古い日本映画を集中的に観ている時期だったので、
噂に聞いた伝説の傑作が見つかったというインパクトは、とにかく強烈だった。
当時、再発見に至るまでの経緯や、映画関係者のコメントなどを載せた
『キネマ旬報』の特集号を、むさぼるように読んだ。

それから現在まで、
京橋のフィルムセンターをはじめとした、日本の各地にある団体が、
失われたはずの日本映画を「再発掘」して公開したり、
あるいは、「伝説のコレクター」の収蔵品が調査されたりと、
さまざまな動きがあり、その都度、一喜一憂させられてきたが、
こうした動きは、フィルムセンターの機関誌『NFCニューズレター』や、
NPO・愛好家などのサイトを通じ、断片的にしか知ることができなかった。
※特に地方に住んでいると、『ニューズレター』を身近に読むことができないので、
  情報の枯渇にさらされる日々である。

本書は、こうした動きが詳しく、網羅的にまとめられ、
また、それぞれの機関の抱える事情や裏話を知ることのできる、
初めての本となった。
『忠治旅日記』特集のキネ旬と同じくらい、夢中になって読み切った。
戦前期の日本映画好きには、
たまらない面白さと貴重な情報に満ちた、感涙ものの一冊である。
これまで類書のなかった本書を書かれた著者に、心より感謝したい。

ラストに取り上げられた黒澤明『白痴』の問題や、
NHKなどが盛んに行っている、戦前期のフィルムのカラー化など、
これからも「映画探偵」に活躍してほしいテーマは、山ほどある。
この本の発刊を機に、再発見がさらに進むことに期待したいし、
「映画探偵」高槻氏の次なる調査を、期待を込めて見守りたい。

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河出書房新社から発売された高槻 真樹の映画探偵: 失われた戦前日本映画を捜して(JAN:9784309276601)の感想と評価
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