生きる意味 (岩波新書) の感想

僕がこの本を買った理由は、学校主催の講演で上田さんの話を直接聞き、感銘を受けたからです。

これまで多くの人の講演を聞きましたが、その方たちの年齢より、

ずっと若い人だったので、すごく“近い”印象を受けました。

話を聞いているうちにどんどん引き込まれていく講演は久しぶりに聞いた気がします。

僕はこの本を読む前、生きる意味についてずっと考えていました。

今まで勉強一筋で、この本に書かれているように点数だけを目標とする人間として生きてきました。

それでも僕は「違和感」をずっと持ち続け、中学校の卒業文集に生きる意味について書いたこともありました。

これらのことも、僕は筆者の若い頃にそっくりだなと思い、共感することができたのだと思います。

今、この本を読んで、何かがガラリと一変したということはあまりないと思います。

たしかに、他の皆さんが評価しているように、結論ははっきりとは述べられていないのかもしれません。

言葉が軽いというのも理解できます。

でも僕の場合、前述の「違和感」がなくなり、肩の荷が落ちた開放的な感覚を得たのも事実です。

僕はこの本のおかげで、今までの悩みが吹っ切れて、さわやかな気分です。

この本は、読者に衝撃を与えるような内容は書いてないと思います。

むしろ当たり前のようなことが書かれているのだと思います。

その点では、評論文的価値を見出そうとする人たちは買わないほうがいいでしょう。

しかしながら、当たり前のことができない今の時代に生きるあなたが、

以前の僕みたいに、「本当に自分はこのまま生きていていいのだろうか？」と疑問を感じ、

その答えに苦しんでいるのであれば、一度この本を読んでみることをお勧めします。

この本はあなたに何かしらのきっかけを与えてくれるでしょう。