地球に落ちて来た男 [DVD] の感想

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参照データ

タイトル地球に落ちて来た男 [DVD]
発売日2012-04-13
監督ニコラス・ローグ
出演デヴィッド・ボウイ
販売元ジェネオン・ユニバーサル
JANコード4988102053499
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ

購入者の感想

デビッド・ボウイが1月10日に亡くなった。享年69歳。18ヶ月に亘るがん闘病の末だったという。
ボウイの音楽はもちろん大好きで、狂ったように聴いていた時期もあったが、自分は映画マニアなので、やはり映画の話をしたい。で、相変わらず日本のマスコミは、ボウイの代表作として『戦メリ』(’83)ばかり挙げるが、ここは断然『地球に落ちて来た男』(’76)でしょう。デヴィッド・ボウイの映画初主演作にして、彼の魅力が横溢する作品。また’70年代を代表するカルトムービーでもある。

砂漠化が進み、荒廃した惑星から水資源を求めてやってきた異星人トーマス・ジェローム・ニュートン(D.ボウイ)。彼は異星のテクノロジーで次々と画期的な発明をし、人間社会で富を得て家族の待つ母星に宇宙船を送り込もうとするが、怪しんだアメリカ政府は彼を監禁、人体実験を繰り返す・・・。

本作が公開されたとき最も注目されたのは、派手な特撮や仕掛けがなくても「SF」映画は成立する、と証明した事。フリップ・K・ディックもこれに感銘を受けたらしく、「ヴァリス」を執筆した時に、作中に登場する洗脳映画ヴァリスを、’70年代ビジネス界を舞台にしたロックスター主演の映画、という風に本作を意識したと思える設定にしている。考えてみれば、『未知との遭遇』『スターウォーズ』が公開され、SFXをふんだんに駆使したSF映画の時代が幕を開ける直前にこの映画が公開されたのは興味深い。この作品がカルトになったのは、ある意味必然だったのかもしれない。

この作品が論争の的になる最も大きな理由は、説明不足による「判りにくさ」。主人公がなぜ地球に来たのか、母星では何が起こっているのか・・・砂漠の風景の中で、ニュートンの家族と思しき人々のイメージシーンが描かれるだけで、それ以上の説明がないため、よく判らない。そうした描写が全篇にわたっているため、入りこめない人には「ついて行けない」映画になってしまっているようだ。

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