よくわかる税法入門 第9版 (有斐閣選書) の感想

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参照データ

タイトルよくわかる税法入門 第9版 (有斐閣選書)
発売日販売日未定
販売元有斐閣
JANコード9784641281363
カテゴリ社会・政治 » 法律 » ビジネスの法律 » 税法

購入者の感想

租税法の授業で配られた。

感想はう、う~ん。。である。

まず、入門書なのに参考図書とか引用した論文、リソースなどが(租税の定義や法人税では触れているものの)ない。

次に税そのものに対する考察が殆どない。税法についての入門者は、経済学を学んだ人を除いて普通、税そのものについても入門なのでは。税法が難しいのは、範囲が経済学・社会学・法学・会計・政治や価値観など色々な範囲にわたり捕らえにくいからだと思うが、消費税など各論でたまに顔を出す以外は纏めた箇所がない。

内容も、会話形式で分かりやすくという配慮は分かるがそんなに分かりやすくない。先生の「解説」で記載するべき内容は確かに記載してあるのだが、むしろ分厚い教科書やよく整理された本で丁寧に書かれるはずのロジックがはしょられているので、頭に入りにくい。シャウブ勧告とか日本の重要な事象、日本の租税の成り立ちについての概略がない(本書で複数回出てくるのでたぶん大事なんだろうなと分かったが、内容は他の本を見た)。各国の制度との比較もただ表で並べるのではなく、異なる資本主義観・公共部門に対する期待(政府の大きさ)・経済的なロジックなどを説明し、日本の制度をうきあがらせるような視点がほしい。

不思議なのは、はしがきでは理論的に考えることをすすめ、あとがきではピケティにも触れ、決して著者の意図が狭いわけではないのだが、殆ど与えられた現在の税制を覚えるという悪い意味での受験チックな用途にしか役に立たない構成に結果的になっている。最初から狭いスコープでステータスクオをそのまま受け入れるという方にはよい本なのかも知れない(だから星3つ)が、社会科学としての法学の要素は感じなかった。

なお、結局他の本にお世話になったので参考まで。
Stephen Smith著『Taxation A Very Short Introduction』:税そのものの概要をが100ページほどで纏まっている。
Joel Slemrod著『Tax Systems』:数学が必要だが経済的な観点(特に最適課税)をうまくまとめたもの。

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